「毎日、虚しい」漠然としたモヤモヤが続く人におすすめしたい4つのこと|臨床心理士が解説

 「毎日、虚しい」漠然としたモヤモヤが続く人におすすめしたい4つのこと|臨床心理士が解説
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石上友梨
石上友梨
2021-07-09

ふと「自分の人生はこれで良かったのだろうか」と思うことはありますか?

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「将来が不安だ」「自分の人生はどうなるのだろう」「明るい未来が描けない」など、悩んでいませんか?このままの人生でよいのかと苦しさは感じるけれど、うまく言葉にできない。そんなモヤモヤとした辛さを抱えながら生きていませんか?

「大学を卒業してとりあえず就職先は見つかった。毎日の生活は遅れているけれど、ふと、これでいいのかなと疑問に思う。毎日が張り合いなく充実感がない。コロナ禍の影響もあり、生活にメリハリがない感じがする。このモヤモヤとした虚しい感じは常にあって、気を抜くとネガティブな感情に襲われそうになる。SNSでつぶやいてみたり、友人と愚痴を言い合っても、一時的なもの。ふとした瞬間に再びモヤモヤがやってくる」ーー今回は、そんな漠然としたモヤモヤ感について考えていきます。

生活習慣を整える

あなたが漠然としたモヤモヤ感を抱えており、何とかしたいと考えているのだとしたら、まずは生活リズムを整えてみましょう。睡眠をきちんと取り、適度に運動をして、ある程度の栄養バランスが取れたものを食べてみます。基本的なこと程、私たちはついつい疎かにしてしまいます。しかし、基本をしっかりと抑えるは意外と大切なことなのです。自律神経のバランスが整い、気持ちが落ち着く可能性があります。まずは、生活習慣を見直しましょう。

マインドフルネス

マインドフルネスとは、気付き受け入れることです。つらい気持ちや身体感覚に過度に注目せずに、気づいたことをあるがまま受け入れましょう。つらいものを見ないようにしたり、無くそうとしたり、無理に抗うことでつらさは増幅したり、継続したりします。気づき、受け入れるための練習として、マインドフルネス瞑想をやってみても良いでしょう。

仰向けや椅子に腰掛けるなど楽な姿勢をとり、目は閉じるか半眼にします。自然な呼吸を続けながら、今この瞬間のありのままの呼吸に注意を向けます。鼻から呼吸が出入りする感覚、呼吸に伴い胸や腹が上下する感覚など、呼吸をゆったりと観察します。途中で集中力が切れて雑念が浮かんできても大丈夫です。それは普通のことですので、気にして自分を責めず、再び呼吸に注意を戻しましょう。マインドフルネス瞑想中に気づいたことは、良い・悪いと判断せずに、あるがまま受け入れましょう。

自分を探す

あなたはどのような人で、どのようなことが好きでしょうか。どのようなことに興味や関心があるのでしょうか。もしかしたら、他人から「何か打ち込めるものを見つけなよ」とアドバイスされたことがあるかもしれません。しかし、打ち込めるものは見つけようと思って見つかるものではありません。まずは、あなたが少しでも興味があるものを見つけてみましょう。もしくは子供の頃や学生の頃など、昔に好きだったものは何でしょうか。なかなか見つからない場合は、人から勧められたものをとりあえず試してみてもよいでしょう。試すことで心が動くものが見つかるかもしれません。自分の興味・関心に気づき、好きなもの、苦手なものを一つずつ発見していきましょう。その積み重ねによって、自分らしさに気づき、将来の夢や目標につながっていくのです。

人とつながる

モヤモヤと虚しい感じを埋めるために、買い物をたくさんすることや、お酒などの嗜好品で気を紛らわすことがあるかもしれません。もちろん、経済面や健康面に影響のない範囲ならよいと思います。しかし、心のモヤモヤは物では補えないですし、嗜好品は気持ちを一時的にしか紛らわしてくれません。人とのつながりの中で、モヤモヤの正体やモヤモヤ解消の糸口が見つかるかもしれません。人は鏡です。人と話し、人から伝え返される中で、自分のことに気づき、自分を知ります。もちろん、話をする相手は慎重に選びましょう。共感的に話を聴いてくれ、あなたに意見を押し付けたり、否定したりしない相手がよいでしょう。安全な人とつながり、モヤモヤとした気持ちを共有することで、あなたのモヤモヤは変化していくでしょう。

モヤモヤを抱えたまま生きることは、人生を心から楽しめていないようなものです。つらく生きづらい生活を手放し、あなたらしく生き生きと暮らすために、現在の自分ができることを取り組んでいきましょう。

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石上友梨

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。



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