【知って得する東洋医学】体内の湿気は不調の原因! 梅雨時期の「湿邪」を追い払う食事のコツ
曇りや雨の日は、屋内も屋外もしっとり・ジメジメ。不快指数が高く感じられるのではないでしょうか。ですが、実はその湿気……。外気だけではなくて、体内にも溜まってしまうのです。 みなさんは、こんな不調に心当たりはありませんか?
“湿邪(しつじゃ)”という言葉をご存じでしょうか?
梅雨時期のような湿度の高い環境下では、体が十分に汗をかくことが難しくなります。すると、体内には余分な水分や老廃物が溜まって、めぐりが悪くなって不調が生じる。また、大気中の湿気が鼻や口、皮膚などを通じて体に入って、水分を溜めこんで不調が生じる。このような不調の原因のことを、東洋医学では湿邪といいます。
湿邪の特徴は、「重い」「ネバネバ」「停滞」。
湿度が高い時期の体や頭がどんよりと重だるい、むくむ、食欲不振、下痢、頭痛などは湿邪によるものだと考えられるでしょう。
対策としては、運動や入浴などで体を温めたり、汗をかくようにしたりするほか、食事では次のようなことを意識するとよいと言われています。
「湿邪」を追い払う食事のコツ
(1)発汗・利尿を促す
体内に溜まった過剰な水分を、汗や尿から排出する手助けをしてくれる食材を取り入れましょう。
・生姜、ねぎ・・・温性の食材で、体を内側から温め発汗を促す
・シナモン・・・体を温め冷えを改善、体のすみずみまで血液を行きわたらせる
・きゅうり・・・利尿を促す
・とうもろこし・・・利尿を促す
・スイカ・・・利尿を促す(果肉よりも皮の白い部分)
・枝豆・・・水分代謝をよくし、余分な水分を排出する
・ゴーヤー・・・余分な水分を排出し、むくみを解消する
(2)胃腸を弱らせない
ジメジメとした気候、そして食欲がわかないとなるとつい、冷たいものや生もの、甘いものを多く取り入れがちに……。ですが、これらの食べ物・飲み物は元気のない胃腸をさらに弱らせてしまうので、できるだけ控えたいところ。
胃腸を元気にしてくれる次のような食材を取り入れましょう。
・トマト→胃腸の働きを活発にして、消化を高める
・パプリカ→胃の働きを活性化して、食欲を増進させる
・ししとう→冷えからくる胃痛・下痢を和らげ、胃の働きを活性化して食欲を増進させる
・かぼちゃ→血行を促進して体を温め、胃腸の働きを活発にする
・とうもろこし→体内の余分な水分を排出し、胃腸の働きをよくする
そのほかにも、香りの力で湿邪を飛ばすジャスミン茶や陳皮(みかんの皮を乾燥させたもの)もよいとされています。
湿邪対策の食事のポイントをまとめると……。
・体を温めて発汗を促す
・利尿作用を高めて、余分な水分を排出する
・胃腸の機能を高める
ただし、利尿作用を高める食材には体を冷やすものも多いので、偏り過ぎずにバランスよく取り入れる必要があるでしょう。
梅雨が明けたら、暑さが厳しい夏がやって来ます。
夏を元気に乗り切るためにも、今から体調を整えておきたいものですね。
AUTHOR
高木沙織
ヨガインストラクター。「美」と「健康」には密接な関係があることから、インナービューティー・アウタービューティーの両方からアプローチ。ヨガインストラクターとしては、骨盤ヨガや産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、体幹トレーニングに特化したクラスなどボディメイクをサポートし、野菜や果物、雑穀に関する資格も複数所有。“スーパーフード”においては難関のスーパーフードエキスパートの資格を持つ。ボディメイクや食に関する記事執筆・イベントをおこない、多角的なサポートを得意とする。2018~2019年にはヨガの2大イベントである『yoga fest』『YOGA JAPAN』でのクラスも担当。
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