医師監修【満腹感・満足感はどこからくる?】過食・ストレス食いを止めるヒント「食欲のメカニズム」

 医師監修【満腹感・満足感はどこからくる?】過食・ストレス食いを止めるヒント「食欲のメカニズム」
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半田葉子
半田葉子
2021-05-25

食べても食べても満たされない…。あなたが満たされていないのは【からだ】ですか?それとも【こころ】ですか?私たちのからだとこころは表裏一体。心の状態が身体(腸)と心(脳)で影響し合う関係「脳腸相関」など心(ストレス)による身体への影響が近年さまざまな研究により判明してきています。そんな心と身体のメカニズムを、今回はマクロビオティック歴15年で腸セラピストの ≪素果子|sugashi≫ 店主、半田葉子さんが解説します。

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「あ~、美味しかった!からだもこころも満たされた!」そう感じたことはありませんか?「お腹いっぱいで幸せ」は「満腹」で「満足」な時ですよね。これが満腹感です。では「食べても食べても満たされない時」、「満腹」なのに「満足」できていない、つまり満腹感が得られない時とは、一体どんな時なのでしょうか。

「満腹感」「満足感」はどこからくるの?    

「満腹感」とは    
満腹感は、生理学的には「胃のふくらみ」「血糖値の上昇」「ホルモンやモノアミンなど神経伝達物質のバランス」の要素で決まると言われています。 例えば水を大量に飲んで胃や腸が満たされ”満腹”になったとしても血糖値が上がらないので”満足”せず、満腹感は得られられないでしょう。    
脳の視床下部の内側には「満腹中枢」があります。血糖上昇はだいたい15分~2時間後くらいまで持続しますが、この血糖上昇の刺激が脳の視床下部に伝わり、満腹中枢が刺激されることにより満腹感を得ているのです。    
    
「満足感」とは    
満足感に、脳内の「エンドルフィン」が深く関係しています。中でもβ-エンドルフィンは気分を高揚させたり陶酔感や幸福感をもたらす作用、痛みや疲労、ストレスなどを和らげる作用があり、何かに集中している時や心がリラックスしている時、逆に強いストレスを感じた時にも分泌されます。β-エンドルフィンはモルヒネの6.5倍の鎮痛作用があるとも言われ、別名「脳内麻薬」と呼ばれています。   
代表的なのは「ランナーズハイ」。エンドルフィンが苦痛、疲労など強いストレスを和らげ、さらに脳が幸福感へと変換するのです。    
辛い物を食べた時、糖分や脂肪分の多い食べ物を食べた時にも、エンドルフィンが分泌されます。「辛い」というストレスを和らげ、幸福感に変化し、重要なエネルギー源になる糖分や脂肪分を食べることは幸福感をもたらします。疲れた時、ストレスを感じた時、刺激物や甘いものを食べたいということは、エンドルフィンを分泌しやすくする行動として、理にかなっているといえるでしょう。ただし、食べ過ぎは禁物です。

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半田葉子

半田葉子

バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_



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