「頼れない。その結果、パンクする」かくれ繊細さんが頼めない理由と、すんなり頼るためにすべきこと
頼めるか頼めないかの違い
お店ではスタッフさんに頼めて、家では夫に頼めない。この差はどこから来るのかというと、「給与が発生するかどうか」でした。つまり、私は「対価を払って自分の願望を叶えてもらう」ことはできましたが、対価が発生しない場合は、自分の頼みを誰かにやってもらうことができなかったのです。
それがわかってからは、少し負担になりそうだなと気になることを人に頼むときは、かならず手土産を持参するなど「自分が頼んで申し訳ない」という気持ちを軽くするツールを媒介させることで、頼むときの自分の心の負荷を下げるようにしていきました。
そして、このことが実はすごく理にかなっていたのです。
私を含むHSPの方たちは想像力、予測力が高い。なので、自分が働きかけることによって生み出す結果を、ほぼ自動的に想像します。それも、ネガティブな方向に想像しがちなのです。
つまり、私がなにかを人に頼めば、「あの人はちゃっかりしている」「自分ばっかりたのんで、悪いとも思わないのかしら」などと思われたり陰口をたたかれることを想像してしまうのです。
だから、誰かになにかを頼むときの、自分側の心の負荷を減らすことで、「借りをつくらない」ようにすることは、自分のネガティブな想像を和らげるのに役立ちます。
ちょっとした何かを渡すことで心の借りがなくなるのだったら、お安い御用です。なによりも、HSPは「気にする」から。
気になることを少しでも減らす努力が、生きやすくするための鉄則のひとつです。
まとめると、「頼めない」問題の解決法の一つは、最初から、ちょっとしたお返し、お礼、謝礼を用意してびっちり線引きすることをお勧めしたいと思います。
相手への負担に見合うくらいの手土産(代価)を渡すことで、相手も喜んでくれますから、一石二鳥、どこにも取りこぼしのないすっきりとした解決法だと思いませんか?
AUTHOR
時田ひさ子
HSS/HSP専門カウンセラー。繊細で凹みやすいが同時に好奇心旺盛で新しいものへの探求欲が旺盛なHSS型HSPへのカウンセリングをのべ5000時間実施。講座受講生からのメール、LINEのやりとりは月100時間以上。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版、2020年)がある。
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