「頼れない。その結果、パンクする」かくれ繊細さんが頼めない理由と、すんなり頼るためにすべきこと
学生時代も同じ「頼れない」パターンでグズグズして。
それから、居酒屋で店員さんに「すみません」と声をかけたいのだけれど、店員さん忙しそう。店員さんに届く声で呼べない。恥ずかしいし、店員さんのやっていることに割り込んじゃいけないよなと迷惑にならないようにそっと「すみません…すみません…」と言い続けているのに業を煮やして、グループの一人が大声で店員さんを呼んでくれる。すると店員さんはササっとやってきてオーダーを取ってくれる…という場面はどうですか?心当たりありますでしょうか?
大人になってからもたとえば、忙しそうに働いている先輩に話しかけられなくて、後ろでずっと立って待っていたり。「今やっていることは急ぎじゃないから、早く声かけてくれればよかったのに」なんて言われても、いや、それができないんですって。
子育て中も、行きたい勉強会が日曜日にあるとしましょう。でも、子どもを夫に頼まなければならない。かつて私は、そういうときは、まずあきらめていました。
私が頼まなければ、夫に「え?」と言われることもないから傷つかないですし、頼んだことで「悪いなー」と罪悪感を感じなくて済みます。よけいな負荷を自分にかけるくらいなら、頼まない方を選択したほうが気が楽だったのです。
面倒な波風立てたくなくて、いつの間にか引っ込め続け、頼むことをやめてしまっていました。
夫以外の人にも何かを頼むときには、神経をとがらせていました。
経営していたお店のスタッフに仕事を頼むことは「仕事」だったので、そちらはなんとかやれていました。ただし、その人にとって負担の大きすぎることなどは、気軽になんでもポンポンと頼めていたわけではありません。丁寧な言葉で、わからないことがないように明確に指示を出すようにしていました。時には図解したり、作業を途中まで一緒にやったりしながら、山本五十六式にお願いするようにして。そのお陰で、店をやめるスタッフさんはほとんどいませんでしたが…。
AUTHOR
時田ひさ子
HSS/HSP専門カウンセラー。繊細で凹みやすいが同時に好奇心旺盛で新しいものへの探求欲が旺盛なHSS型HSPへのカウンセリングをのべ5000時間実施。講座受講生からのメール、LINEのやりとりは月100時間以上。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版、2020年)がある。
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