【ローランジの正解】膝とかかとの位置で安定感が変わる?グラグラしない「ローランジ」の正しいやり方
シークエンスの途中で頻繁に登場するローランジ。股関節の屈曲と伸展を深めるポイントやほかのポーズとの関係性などを、柳本和也先生がレクチャーします。
ランジポーズが上達するとシークエンスの精度も向上
ランジポーズには、骨盤を床と垂直に保つハイランジと上半身を深く前傾させるローランジがあり、いずれも下半身の強化や股関節の柔軟性アップに効果を発揮します。
「この2つは、アーサナ独自の効果はもちろん、数種類のポーズを連続して行う中でポーズ同士をつなぐ役割も果たします。たとえば太陽礼拝では、ウッターナーサナの次にローランジを挟んでプランクポーズへ。そのときランジポーズで下半身や体幹の安定が高まるので次のポーズへスムーズに移行でき、シークエンス全体の精度がアップします」
また、股関節の屈曲と伸展が鍵になるので、前屈と後屈の準備ポーズとしても有効です。
「関節は対を成す動きをするので、股関節を屈曲させると伸びやすくなり、逆に伸展させると屈曲が深まります。特にローランジは踏み込んだ前脚の腿とお腹を近づけて深く屈曲するため、その後、後屈ポーズを行うと股関節がラクに伸展する感覚をつかめるはずです!」
ローランジのポーズ
ローランジは両足で均等に床を踏み込み、頭頂から尾骨までを一直線にキープすることが大切。さらに、腿とお腹を近づけて前脚側の股関節の屈曲を深めていきましょう。
【効果】
・下半身の筋力が向上する
・血流が良くなる
・股関節の動きが良くなる
ウッターナーサナから片脚を後方へ引き、前脚の膝を曲げて目線は正面へ向ける。
膝とかかとが一直線になるようにセット
股関節が硬く、腿とお腹を近づけられないと、前のめりになり膝が前に出やすくなります。床を踏み込んだときの反発する力を使って腿を近づけ、股関節の屈曲を深めて。
骨盤は正面に向ける
骨盤の位置が傾くと両脚で床を踏めずバランスが崩れ、腰や膝に負担がかかるので要注意。
OK:おへそが正面を向き、左右の骨盤が水平に保たれて体が安定している。
NG:前脚側の骨盤が外に傾き、後ろ脚側の骨盤は後方へ引っ張られている状態はNG。
内腿同士を寄せ合う
重力に任せてしまうと前後の脚が外側に開きやすくなります。内転筋を働かせて内腿同士を寄せ合うと下半身がブレなくなり安定感がアップ。
ローランジの疑問を解決!Q&A
Q1.「手と手の間に一歩」のその「一歩」が前に出ません…
A1.背骨を丸めて足が入るスペースをつくろう!
プランクポーズなどから移行するときに足が前に出ないのは、背骨が真っすぐのままで足を入れるスペースを確保できていないため。キャット &カウで頸椎、胸椎、腰椎を動かして硬さを取り除き、背骨を丸められるようになると、足が入るスペースが生まれます。
四つん這いになり手で床を押し、吐く息で肩甲骨の間を引き上げて耳と肩を離す。
吸う息で肩甲骨の間を広げたまま胸を天井方向へ開き、目線は斜め上へ向ける。5~10回
何度か繰り返し、背骨の柔軟性の変化を感じたら背骨を丸めて胸の下にスペースをつくり、膝を胸に引き寄せる練習を。
Q2.手に体重がかかりすぎてキツいです…
A2.股関節を十分ほぐすと下半身が安定してラクに!
後ろ脚の腿前が硬く、十分に伸びないと前重心になりやすいため、手に体重がかかります。股関節をほぐして伸展が深まると、後ろ脚の踏み込む力が強くなり下半身が安定するので、壁を使った腿前を伸ばすワークを取り入れてみて。
前重心を防ぐためブロックに手をついて上体を高く保ち、肩甲骨の間を高くするように背中をまるめて5~10呼吸する。その後、ブロックに手を置いたまま、片脚ずつ持ち上げ、股関節からゆっくりと、ほぐれるまで大きく回す。反対も。5~10呼吸
壁に背中をつけ、右脚を前に出して左膝は床、足の甲を壁につけて腿前を伸ばす。尾骨を中にたくし込み反り腰に注意。反対も。5~10呼吸
Q3.後ろ脚の腿裏が落ちて力が入りません…
A3.腿前を伸ばしてからポーズをとると後ろ脚でも踏ん張れます
腿前の大腿四頭筋が硬くなって収縮していると、腿裏を伸ばしきれず後ろ脚の踏み込みが不十分に。腿前のストレッチに効果的なマンドゥカーサナを行い筋肉の緊張をゆるめるのがポイント。
四つん這いの姿勢から、太腿とすねが90度になるように両膝を開く。両手でマットを押しながら、股関節を徐々に開いていく。股関節が硬い人は足幅を狭めた状態から徐々に膝を広げて。5~10呼吸
Q4.手を床につくと背中が丸まってしまいます
A4.まずは上体を高くして練習してみよう
背中が丸くなると両脚で床を踏み込めません。最初から手を床につこうとせず、頭頂からかかとまでを一直線に保てるようになるまで手を膝におき上体を高くして練習しましょう。
こうなるときは…
これで解決!
背中の伸びを感じられると股関節の屈曲と伸展が深まる。できるようになったら次はブロックに両手をおき、徐々に手を床に近づけて。
教えてくれたのは…柳本和也先生
udaya yoga studio主宰。バリでヨガに出会い、日本のアシュタンガヨガの第一人者ケン・ハラクマ氏に師事。ヨガ指導、イベントやワークショップなどで幅広く活躍。
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