やりがちだけど...実は危ない!「三角のポーズ」「東側を強く伸ばすポーズ」の正しいやり方
ヨガのプラクティスでは、ついお手本どおりの形を目指したくなるもの。でも無理に形をマネすれば体を痛める危険性も出てきます。普段の動きを見直して、安全に行えているかどうかを確認してみましょう。
心にも体にも心地よいポーズのやり方を見つけて
「柔軟性は、骨格の特性や筋肉の硬さで決まります。筋肉の硬さは練習で柔らかくなりますが、骨格が原因の場合は、何らかの方法で代償する必要が。〝正しい形はこうだから〞とか、〝先生がやっているから〞と、無理な動きを続けていると、骨や靭帯、筋肉を痛めてしまいます。その結果、ヨガができないだけでなく日常生活に支障が出ることも」(中村尚人先生)
そこでヨガのポーズやそのやり方で、中村先生がよく見かける危ない体の使い方をピックアップ。危険な理由と、安全に行うコツを教えてもらいました。
「憧れの完成形ではないかもしれませんが、安全にできることを優先しましょう。体にとっては違和感は黄信号、痛みは赤信号です。ヨガは自分との対話が大事。自分に合ったやり方で、心にも体にも心地よいポーズのとり方を見つけてください。また、登山ガイドが遭難者を出したら失格なように、ヨガの指導者は生徒にけがをさせてしまっては失格です。指導者のみなさんは、参加者の体の状態を見極めて、安全なクラスづくりを心掛けてくださいね」
トリコナーサナ(三角のポーズ)
いつもは...前に伸びて〜
倒れる
骨盤まわりが安定しないと股関節を痛めやすい!
上体を倒す際、いったん前方に向かって上体を伸ばす動作。実はコレ、後ろの脚への意識が薄くなり、ゆるんだ股関節を痛めてしまう恐れが。また、体が支えられず前脚の膝をロックしてしまいやすいので注意が必要です。
これで解決!|マットを引き裂くように立とう
股関節のトラブルを防ぐには、中臀筋を使ってポーズをとることが大切。股関節を安定させた状態で、ポーズを深めましょう。
股関節を安定させる
足を大きく開いてトリコナーサナのポジションになったら、マットを引き裂くイメージで、両足で強く床を踏んで。すると、お尻の左右にある中臀筋が働き、股関節が安定します。
中臀筋
骨盤の安定を感じながら上体を倒す。前足の股関節を無理に引き込もうとすると後ろの股関節が不安定になりやすいのて注意。
股関節の柔軟性が 高い人は必ず実践を!
股関節が柔らかい人は、筋肉を使わずポーズがとれてしまいます。脚を広げて立つときは、この立ち方で筋肉をONに。
プールヴォッターナーサナ(東側を強く伸ばすポーズ)
いつもは...頭は後ろに!
頭が後ろに落ちる人は首を痛める可能性大
後屈のポーズで特に気をつけたいのが首。ポーズをとったはいいけれど、頭がガクンと落ちてしまい、首の後ろがつぶれる人、ポーズから離れる際に頭を戻すことができない人は、苦しさをガマンして続けると首を痛めます。
これで解決!|舌の位置が大事、上あごにつけて
舌の筋肉は首を支える筋肉につながっているため、首を安定させるには、実は舌の位置が大事。舌を上あごにつけると首がラクに!
首の筋肉を使う
舌の表側を上あごにつけ、舌先は上の前歯の歯ぐきとの境目につける。すると、舌の筋肉からつながる首を支える筋肉が使えるようになり、頭が支えられるように。ポーズ時に、上体の位置が自然と高くなる効果も。
NG
OK
長座になり、腰の後ろに指先を前に向けて手をおく。お尻を上げ、足の親指を床につける。首の前を伸ばす意識で行おう。
教えてくれたのは...中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。TAKT EIGHT主宰。臨床の知識と経験を生かした指導で人気。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指す。
モデルを務めてくれたのは...池田莉子さん
モデル・ヨガインストラクター。アロマアドバイザー。19歳で指導資格を取得。雑誌や広告、CM、ファッションショーなどで活躍するとともに、ヨガの魅力を広く楽しく伝えている。
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