忘れていない?「丁寧な暮らし」で、いちばん丁寧にすべきことは?
「丁寧な暮らし」と「丁寧に見える暮らし」
この二つは似て異なります。何が一番違うのかというと、視点です。「丁寧な暮らし」の主語は「私」。一方、「丁寧に見える暮らし」は「誰か」が主語になります。
メディアに加え、SNSの普及によって今まで見えなかった他人の生活が画面を越えて見る人の脳内に飛び込んでくるようになりました。それによって何が起きたか。それは、自分と誰かの「丁寧の混同」。結果、人々に幾ばくかの疲労を生んだようにも思います。
「丁寧な暮らし」はお金も時間もかからない
以前、私にとって「丁寧な暮らし」は高価なものでした。その生活を実現するには、余裕のある時間の捻出と、金銭的投資が必要だ、と。でも、本当にそう? 立ち止まって考えてみると、「自分に丁度いい丁寧」は必ずしもそうではないことに気がつきます。本当に欲しいと思ったものを買うことも、大事に長く使うことも、最後まで使い切ることも、簡易包装でお願いすることも、季節のあいさつを大事にすることも、たまに手作りを通してものの過程を知ることも、ものの由来を考えることも、季節のものを食べることも、どれも、わたしにとっては「丁寧」でした。丁寧の定義は自分で決めていい。
こだわりを突き詰めることで楽しさを感じる人もいますし、逆にこだわることが負担になる人もいます。自分の「丁度いい」を探すというプロセスこそ時間をかけて丁寧にすると良さそうです。
「丁寧な暮らし」の第一歩
「心地が良いか」、まずそれがあります。
そして、「丁寧」はその手段のひとつです。メディアが届けるスタイルもまたひとつの形であり、何が心地が良いかを探るヒントしてメディアを見ることは意味があることです。でも、大事なのが紙面や画面の誰かの「丁寧な生活」の先に、自分にとっての生活を探ることだと私は思います。丁寧な暮らしの第一歩は、自分にとって「丁寧とは何か」と考え始めることなのかもしれません。
そして、最後に。丁寧になれない時があってもいい、と思います。そのくらいのゆるさが、救ってくれることも多いから。
Akane
「ゆるいオーガニック」を提案するライフスタイルブランド「HEY!LUCY」の裏方。IT企業の会社員から一冊の本を読んでオーガニックに興味を持ち、ブランドを立ち上げることに。ブランド運営、エンジニア、執筆やイラスト制作など複数の職業を掛け持つパラレルワーカー。本とパンが好きな面倒くさがりやの30代。 Instagram: @atou.organic
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