自己肯定感は高めないといけないの?自己肯定感にまつわる誤解|精神科医・臨床心理士が語るヨガの話
精神科医の中野輝基先生、麻酔科医での中野陽子先生、教育現場を中心として活動する臨床心理士の太田千瑞先生、そして同じく臨床心理士の筆者。様々なバックグラウンドを持つ4人の共通点は、ヨガ講師である事。メンタルヘルスの現場に関わる専門家という立場から、ヨガとメンタルヘルスの関係性、メンタルヘルスとヨガをどうつなげていくかということについて対談している様子を、シリーズでお伝えして行きます。
そもそも自己肯定感とは?自己肯定感は高めなければいけないもの?
中野陽子さん(以下,陽子):最近よく『ヨガをして自己肯定感を高めよう』って聞くんだけど、そもそも自己肯定感ってどういうものなんでしょうね?
南舞(以下,南):そうですね…世の中的には自分に対する自信があり、それが高いというニュアンスで伝わっていると思うけど、私としてはちょっと違うと感じていて。自己肯定感って、良くも悪くも自分という存在を肯定できる力のことを言うんじゃないかと思うんです。自己肯定感と似たような言葉で【自己受容】があって、これは自己肯定感とは何が違うの?という声を頂くこともあるんですが、その辺の違いなども含めて、輝基先生はどう思います?
中野輝基(以下、輝基):僕は、自己肯定感とはプロセスだと思っていて、自分を良い方向に持っていくためにはある程度プロセスが必要で、そのひとつが自己受容なんじゃないかなと。
南:このテーマ、実は私の中でとても関心のあるトピックなんです。自己肯定感という概念が世に浸透するのはいいことだけれど、最近では『自己肯定感を高めよう』というタイトルの書籍や講座などが多くなっていて、高めることが目標になっている印象を受けます。本来の自己肯定感という概念とは意味合いが違ってきているんじゃないか?っていう気がしてならないんです。
陽子:そもそも自己肯定感って高めないといけないの?
南:個人的には高めなければいけないわけじゃないと思う。結果的に高まるということはあると思いますが。
太田千瑞(以下,太田):自己肯定感って聞くと、高いか低いかの二軸で考えがちですよね。
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