身体機能の回復以上にヨガで目指すものとは|病院を飛び出したふたりの医師の挑戦
麻酔科医の中野陽子さんと精神科医の中野輝基さんは、公私ともに息の合ったパートナー。医師業の傍らヨガで社会全体の健康増進に寄与するふたりが、現代社会に必要だと感じている健康対策とは何か、その手段としてヨガにどんな可能性を見出しているのでしょうか。これまでにヨガで拾い切れなかったニーズに応えるべく走り始めた、ふたりの取り組みを追いかけます。
ヨガの心身を癒す力に魅了され、メドケアヨガを設立
――まずは、医師であるおふたりがヨガに携わる経緯を教えてください。
中野陽子さん(以下、陽子):私がヨガを始めたことが、そもそもの始まりでした。麻酔科医の仕事が忙しく慢性的な疲労解消のためにヨガを始めたところ、すごく体の調子が良くなりヨガにハマッていったんです。そのうちに、医師として人の健康に携わる以上、薬だけでは中々回復しない体の不調にヨガでアプローチしたいなと思い始め、指導者資格を取るためにヨガスクールに通いました。
中野輝基さん(以下、輝基):その頃僕はランに夢中で、ヨガにハマる妻を横目で見ている感じでしたね。興味がわいたのは、病院で診察しても不調の原因を特定できず、「様子を見ましょう」と言われる患者さんが、ヨガで癒されていく話を妻から聞くようになってからです。妻はヨガの記事執筆や監修の依頼が増え、そのサポートをするうちに、僕自身もヨガと関わる機会が少しずつ増えていきました。
陽子:無事に指導者資格を取って、これで自然とヨガ指導の道が開けるだろう。そう思っていたのですが……。現実は違いました。これといった活動をしないまま数年間が過ぎてしまって。
輝基:道が開けない原因を考えたとき、自分たちの存在や、やりたいことを認知してもらう働きがけをしていないと気付いたんです。改めて活動の方向性をふたりで考え、私たちが目指すのは「医療(MEDICINE)とケア(CARE)とヨガ(YOGA)の知識を融合させ、多くの人の健康増進に寄与すること」だと確信。そこで初めて「メドケアヨガ」という冠を掲げ、ホームページを開設し、同時に、私も指導者資格を取り本格的に始動しました。
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