なぜ日本人の自己肯定感は低いのか|今日からできる自己肯定感を高める方法
自己肯定感は成長する過程で少しずつ育まれていくものです。しかし、さまざまな理由で自己肯定感が育まれづらかった場合があります。今回は、自己肯定感を高める方法についてご紹介します。
前回は「自己肯定感がなぜ下がってしまうのか」についてお伝えしました。もしかしたら、自己肯定感は元々高くないと感じている方もいらっしゃると思います。
なぜ日本人の自己肯定感は低いのか
もしかしたら、日本の文化も関係しているかもしれません。日本では、自分より他人を優先したり、謙遜することが良しとされていたり、ありのままの自分を認めるより、何か努力している自分、何か成し遂げた自分を肯定するような文化があるかもしれません。もちろん、それは大切なことです。他者とともに生きる世界では、他人を優先すること、協調性を重視する必要があります。そして、自分が成長するためには、目標を掲げてモチベーションを上げたり、努力してくことが大切です。
しかし、他人を優先しすぎたり、何か成し遂げた自分しか肯定できないとどうなってしまうでしょうか。何事もバランスが大切です。なかなか自分に自信が持てず、何かを挑戦するエネルギーがわかなかったり、落ち込んで辛い気持ちになることが多かったりしてしまうかもしれません。
自己肯定感の誤解
自己肯定感は他人に高めてもらうものではないです。自分で自分を認めないと高くなりません。
相手に認めてもらうことで自己肯定感をあげるようとすると、なかなかうまくいきません。高まった気がしても、長く続かないことが多くなります。他人の気持ちや思いは揺らぎます。相手の意見や気持ちが変われば、肯定される自分も揺らいでしまいます。それなので、安定した肯定感が持てず、常に相手に合わせて自己が揺らいだり、変化する必要があり、根本的な解決にはなりません。
大切なのは、自分で自分を認めることです。あなたの価値は、誰かの価値観や思いに左右されるものでもないし、自分の価値に条件なんてありません。何かをしていても、していなくても、無条件に価値があり、肯定して良いのです。
ありのままの自分に目を向けること
まずは、ありのままの自分に目を向け、自分を認めるところから始めましょう。自分は、どのような気持ちを感じているのか、どのような思いを抱えているのか。ありのままの自分を認めて、受け入れることです。ネガティブなものほど、否定したくなります。しかし、人間は誰しもネガティブな気持ちを感じ、ネガティブな思いを持つことがあります。人間には長所も短所もあります。悪い面だけを見るのでも、良い面だけを見るのでもありません。ストレスを感じている時ほど、自分の悪い面しか目に入らないこともあります。そんな時は意識的に、バランスよく、どちらも目を向け、良い悪いとか判断せず、それが今の自分だと受け入れることです。
自分がやりたいことを書き出してみる
小さいものでも、大きいものでもいいです。自分のやりたいことを書き出してみましょう。やりたいことがない方は興味があること、楽しめること、実現したいこと、望んでいることなどを書いてみましょう。ここでは選び抜いたものを書くのではなく、思いついたものをどんどんと書いていきましょう。「自分はやりたいことがない」と感じている方も、書き出していくうちに、自分の願いや思いに少しずつ気づいていきます。やりたいことを書き出して、目で見える形にすることで、実現したいな、やってみたいなという気持ちが強くなり、やる気につながります。書くだけでなく、やってみたくなったら実行に移してみてください。
褒め日記を書く
1日の終わりにその日を振り返って、自分を褒める日記を書きます。これは立派なことを成し遂げたものではなく、「掃除機をかけた」「めざましの5分前に起きた」「苦手な人に挨拶した」と言った日常のことを書きます。日記帳やアプリなど、続けやすい方法を選びましょう。
先ほど書き出した「自分のやりたいこと」を実行してみて、それを褒め日記に書くのも良いでしょう。「自分がいま食べたいものを考えて、カレーを食べた」とかでも良いです。自分に必要なものは何かな、自分は何がしたいのかなと自分自身に問いかけ、小さな願いを叶えましょう。
自己肯定感はすぐに高まるものではありません。日々の積み重ねで少しずつ高くなっていくものです。自己肯定感が低いと感じる方は継続してみてください。
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com
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