"今の気持ち"を聞かれても答えられない人に贈るたったひとつの方法

 "今の気持ち"を聞かれても答えられない人に贈るたったひとつの方法
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南 舞
南 舞
2020-10-11

「自分の気持ちって何だろう…聞かれても分からない」そう感じることありませんか?そんな思いをしている方に、臨床心理士がアドバイスします。

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アレキシサイミア(失感情性)とは

筆者がカウンセリングを日々行う中で「今の気持ち…分からないですね」という方と出会うことが意外と多くあります。「そんなことあるの?」と思うかもしれませんが、「自分の気持ちが分からない」というケースは意外と多くあり、こういった特性のことを【アレキシサイミア(失感情性)】と呼ぶことがあります。アレキシサイミアは、1970年代にP.E.シフオネスらが提唱した性格特性のことで、「自分の感情を自覚・認知したり表現することが不得意で空想力・想像力に欠けることをさす」と定義されています。日本語では失感情症と訳されていますが、決して「感情が失われた状態」という意味ではありません。あくまで「感じにくい」だけなのです。そして、その傾向の濃淡は人によっても差があると言われています。アレキシサイミアの傾向がある人は、自分にとってつらいなどネガティブな状況に置かれても感情を表に出せないため、「ストレスに対して強い人」「クールな人」と誤解されがち。そして自分の感情を認識しづらいがために、行動や表情と感情との間にズレが生まれてしまいます。例えば、悲しい場面で悲しそうでなかったり、人に何かしてもらって嬉しいのに嬉しい表情でなかったり。そのために「人の気持ちが分からない人」「空気が読めない人」などと誤解されてしまうことが多いようです。

アレキシサイミアの特徴は?どんな人がなりやすい?

アレキシサイミアを抱える人の特徴として、自分のことよりも他人や周囲の方に意識がむきやすいことが挙げられます。そのため、人一倍ストレスを抱えやすく、またそのストレスさえも言葉にできないために身体症状(頭痛、腹痛など)として出現しやすくなります。それが積み重なると、心身症やうつ病、摂食障害や依存症につながることがあるので注意が必要なのです。また、アレクシサイミアになりやすい人の性格傾向として「几帳面で完璧主義」「緊張や不安を感じやすい」「責任感が強くまじめ」などが挙げられます。

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