度重なる苦難に「心が折れそう…」そんな時に知っておきたい3つのこと|臨床心理士が解説

 度重なる苦難に「心が折れそう…」そんな時に知っておきたい3つのこと|臨床心理士が解説
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南 舞
南 舞
2020-09-16

大きな失敗、喪失体験、自然災害、疾病など、生きていたら色々ありますよね。困難や逆境を乗り越えていくためのヒントを、臨床心理士がお伝えします。

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心は「強くする」よりも「回復力を育てる」時代

1970年代、心理学者のスザンヌ・C・コバサが提唱した理論に【ハーディネス】というものがあります。これはストレスの高い状況に置かれても屈しないような強靭な心の状態のこと。これまで日本でも、困難な状況に陥った時には「負けない」「折れない」「傷つかない」ような強い心・強い人を育てることが大切とされてきました。しかし、それが無理をしすぎる・頑張りすぎるということに繋がり、心身の健康に影響するということも分かってきています。そこで近年注目されているのが、【レジリエンス】という考え方。レジリエンスとは、心の回復力を表し、逆境やストレスにさらされて、不適応状態に陥ったとしても、そこから回復する力のことを指します。ハーディネスは特定の人が持っているものですが、レジリエンスは、誰もが持っているもので、高さ低さなどに個人差はあるものの、生まれつき決まっているわけではなく、大人になってからも自分で育てることができます。

レジリエンスは何でできている?

ライビッチ博士は、レジリエンスを構成する要素を8つ挙げていますが、その中で私たちが育てることができる心理的要素を6つ紹介します。

①    自己認識(self-awareness):自分自身の感情や思考に加え、自分の強みと弱み、大切にしている価値観や人生の目標を認識していること。

②    自制心(self-regulation):状況に応じて自分の感情や思考、行動を律すること、適切に制御すること。

③    精神的敏速性(mental agility):物事を多面的に捉え、現実的・客観的に対応できること。

④    楽観性(optimism):未来はより良いものになる、自分でよくすることができると確信すること。 例)この試練は自分が一回り成長できるチャンスだと思う。

⑤自己効力感(self-efficacy):「やればできる!」という自信のこと。

⑥  つながり(conection):他者とのつながり。信頼できる仲間・人の存在があること。

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