美しいビーチは家から始まる|Sustainable Coastlines Hawaiiの取り組み
美しい自然とフレンドリーなロコの住むハワイはいつ訪れても癒されますが、普段観光客が目にすることのない場所では深刻な環境問題にさらされていることを知っていますか?ハワイのロコによって立ち上げられたSustainable Coastlines Hawaiiはビーチクリーンを通して美しいハワイを護る活動を続けています。
美しいハワイが抱える深刻なゴミ問題
どこまでも続く青い海と白い砂浜の広がるハワイの美しいビーチ。そのハワイが深刻なゴミ問題を抱えていると聞いた時はにわかに信じられませんでした。オアフ島ノースショアの立ち入り禁止区域を含め、離島のビーチにも世界中からゴミが漂流してくるそうです。その驚くべき光景には思わず目を覆いたくなるほどです。
これらのゴミは海流に乗って運ばれてきました。このように流れ着くゴミというのはたったの10%ほど。残りの90%のゴミは海に沈んでいると言われています。2050年には魚の量よりプラスチックゴミの方が多くなるという試算もあるほどの深刻な状況です。
それらのゴミは紛れもなく人間が出したもの。私たちは「便利」「手軽」と言った経済活動を優先にしたばかりに、短いスパンで使い捨てをするライフスタイルが加速されて行きました。作って捨てる、作って捨てる…の繰り返し。
有限の資源である石油からできるプラスチック。何万年もかけて大地で作られた石油は本来ならもっと大切に使われるべき資源のはずです。ところがその貴重な石油から作られたプラスチックが、ものの数分で使い捨てされるような生活によってこの大量のゴミ問題が生まれています。
ホノルルのビーチは観光客が捨てていくゴミが目立ちます。ホノルルは海に入る前にゴミを食い止められる貴重な場所とも言えます。そこで食い止めなければ海に出てしまい、ゴミが還流に乗って何年も漂って、マイクロプラスチックになってまたハワイにたどり着く。驚くことに捨てられた漁業の網なども流れてくるそうです。そしてゴミの中には様々な国の言語が書かれてるものがあります。日本語、スペイン後、ロシア語など、世界各国の言葉が書かれた大量のプラゴミが来る日も来る日もハワイに流れ着いてきます。
Sustainable Coastlines Hawaiiとは
そのゴミ問題を解決しようとSustainable Coastlines Hawaii は2011年にわずか8人の小さな活動から始まりました。現在活動10年目を迎えた海洋環境保全NPO団体。今回は唯一の日本人スタッフであるHidekiさんにお話を伺いました。
メインの活動はビーチクリーンアップと環境保護への教育活動。現在は残念ながらコロナの影響でビーチクリーンの活動はできてはいませんが、コロナ前は月1回〜2ヶ月に1回の頻度でハワイの離島も含め、ローカルの人たちと共にビーチクリーン活動をしていました。
普段はEarth Day(4月22日)に大規模なビーチクリーンアップを実施しています。過去にはワイマナロビーチで最大1,500人もの人が参加したこともある大きなイベントです。ライブミュージックやローカルのビジネスのテントも出てかなり盛り上がりました。
ビーチクリーンアップは主にローカルの在住者がメイン。SNSの活動を見たり、口コミで活動を知り参加してくれます。
普段はローカルのイベントや教育機関を尋ね、環境問題の教育活動を行っています。(現在は主にオンラインで教育活動を継続しています。)離島にも足を運び、離島でのビーチクリーン活動の他に学校や教育機関での啓蒙活動もしています。子供たちが未来のハワイを守っていく存在なので、"Keiki* Education"にも力を入れています。(*Keiki「ケイキ」:ハワイ語で「子供」)
子供たちにも教育をするのは、子供たちは未来の地球を背負っていくから。ローカルの子供たちは海が大好きで、海をハワイを守りたいという気持ちがすでに芽生えていて、すぐにきれいな海の必要性を理解するようです。
Clean beaches start at home.
以前、筆者はワイキキでビーチクリーン活動に参加したことがあり、遠目に見るときれいなビーチもゴミが結構落ちていることに驚きました。そのゴミを拾いながら考えたことが「落ちているゴミの全てが故意に捨てられたものじゃないはず」ということでした。
例えば「ビーチで飲んでいたドリンクのカップが風で飛ばされてしまった」とか「ゴミ箱にきちんと捨てたものでも風で飛ばされてしまった」とか。故意に捨てられたゴミはもっての外ですが、故意ではないゴミがあるのならどうしたらいいのかと思っていました。
そのことについてHidekiさんに尋ねると、「Clean beaches start at home.」と教えてくれました。直訳すると「きれいなビーチは家から始まる」。つまり私たちのライフスタイルを変えることできれいなビーチに貢献ができるというのです。
ビーチクリーン活動は大事な活動ですが、これは対処療法でしかないということ。水道栓が壊れてお風呂から水があふれているのを、バケツでいくら水をかき出しても元栓をしめなければ根本的な解決にはならないように、ビーチでゴミを拾っても人間がゴミをどんどん生んでいるのでは残念ながら根本的な解決とはなりません。
残念ながら私たちの身の周りにあるものは、リサイクルできる素材で作られているとしてもほとんどがリサイクルされていないのが現状。新しくプラスチックを作る方がリサイクルするよりもお金がかからないのに、誰が好き好んでリサイクルするでしょうか?
燃やせば燃料としてリサイクルできるかもという考え方もありますが、燃やされて出た灰はどこかに埋め立てられ、それがまた環境を汚染する。。ハワイで燃やせなかったものは、海外の貧しい国に送られて不法投棄されたりそこで燃やされたりして、それが原因で新たな公害となり、さらにそれが海に流されて、また海が汚れていくという悪循環が出来上がっているのが現状です。その負のスパイラルを断ち切るのは私たち一人一人の行動です。
つまり私たちが考え方とライフスタイルを変えて、ビーチに流れ出る前にゴミを出さない工夫をすることがこれからの未来の海を変えていくことになります。例えば、何か物を買う時に使い捨てのプラスチックゴミが出ないような買い物を選択することが大事です。一人ひとりの意識改革が未来を変えていくことができます。
観光客としてできること
観光のためにハワイに来た時にも、ハワイの環境保護へ貢献できます。ビーチクリーン活動に参加することも可能ですが、そういった活動に参加できなくても、どんな場面でも自分の行動を変えていくことができます。買い物をする時には、長く使える物を選ぶ。自分が手にした物、口にした物、それを入れるパッケージなど、身の回りにあるものがどこからきて、どこへ行くのかを考える。そして少しでも環境に優しいものを選ぶ。そしてハワイでしたことを日本でも継続して行う。海はつながっているので、どこでした選択でも結果的には海を守ることができます。
ファーマーズマーケットへ足を運んでローカルのサステナブルなビジネスを支援することもオススメです。
未来を考え、自然に近づくこと、自然を感じること、自然の雄大さに触れることが、自然への畏敬の念を感じ、地球を守りたいという活動へと心を動かしてくれるでしょう。
海は世界を一つに繋ぎます。海は昔から文化交流の場所でもありました。「ハワイ」の語源は「生命の水」という意味もあるくらい、ハワイは水を神聖なものとして捉えてきました。世界中どこにいても自分たちの行動が海に影響を与えます。私たちの行動が変われば、世界の海を変えることができます。
Sustanable Coastlines Hawaiiの活動はSNSからでも見ることができます。
Instagram:@sustainablecoastlineshawaii
Facebook(日本語):サステナブルコーストラインズ
ライター/寺岡早織
2003年からヨガを始め、その後ピラティスを始める。2010年BASIピラティスインストラクター資格(マット、マシン)を取得し、ピラティス指導を開始。結婚を機に2013年ハワイに移住し、その後もピラティス指導を続ける。2015年よりハワイでの日本人向けRYT200の解剖学講師を務める。2018年よりヨガ・ピラティスインストラクターに特化したプロフィール写真のカメラマンとしても活動を開始。趣味は絵を描くこと。 Instagram (ピラティスアカウント):@saori_pilates、Instagram(ハワイ写真アカウント):@saori_hi_photography
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