ハワイでヨガ×環境保全|美しい海を守るビーチクリーン体験レポート
ハワイの青い海と白い砂浜は眺めているだけでも心が洗われますが、実は深刻なゴミ問題も抱えています。海洋生物が海に漂うゴミをエサと間違えて飲み込み、それが原因で死に至る例も多数報告されています。さらには小さなプラスチックゴミを魚介類が飲み込み、それを食べる人間の健康にも害がでるという懸念も高まってきました。私たち一人一人のできることは小さいことかもしれませんが、このハワイの美しい自然を守るために何かできないかと思い「ビーチクリーン&サンセットヨガクラス」に参加してきました。
ビーチクリーン活動を企画したインストラクターYukaさん
今回ビーチクリーン活動とフリーサンセットクラスを企画したのはハワイ在住4年目の日本人ヨガインストラクターYukaさん。Yukaさんは2018年にRYT200と、AntiGravity©︎ Fundamentalの認定を取り、現在ホノルルでビーチヨガとハンモックヨガを教えています。Yukaさんはハワイ在住歴はまだ短いものの、自然を身近に感じられるハワイが大好きだそうです。今までもビーチヨガクラスを教える前後に、一人でビーチのゴミを拾っていたこともあるそうですが、今回初めてイベントとしてこの企画を立ち上げました。
↑インストラクターのYukaさん(写真右)
ビーチクリーン活動スタート!
今回の参加者はインストラクターのYukaさんを入れて総勢8名。開始は17時過ぎで、太陽は少しずつ傾きかけてはいましたが、まだまだ日差しがギラギラで暑いビーチ。観光客もたくさんビーチを楽しんでいました。
8人が散り散りになってビーチのゴミを拾い始めます。ビーチをざっと眺めると、一面白い砂浜であまりゴミが落ちてなさそうに見えます。そんなにゴミが集められるのかと半信半疑で始めましたが、いざ拾い始めてみると思った以上にたくさんゴミがありました。
一番多かったのはタバコでした。さらにはティッシュなどの紙ゴミ、プラスチックのストロー、ドリンクカップ、ペットボトルのキャップ、スナック菓子のパッケージ、ゴーグル…など様々なゴミが散乱しています。砂に埋もれたりしてよく見ないと見つけられないようなゴミもありました。
私はハワイ在住の友人と一緒に参加したのですが、おしゃべりをしながらゲーム感覚で拾っているうちにだんだんと夢中になり始めました。
途中、通りがかる人から「Thank you!」と声を掛けられたりすることもあり「人の役に立っているんだな」と実感することができます。
たったの30分で、普通の大きさのゴミ袋がいっぱいになるくらいまで集まりました。
これらの全てのゴミが意図的に捨てられたものではないかも知れません。ビーチでくつろいでいるうちに風に飛ばされてしまったり、意図せず落としてしまったり…様々な理由があるかも知れませ。しかし、これらのゴミを海洋生物がエサと間違えて飲んで窒息死してしまったり、カメやクジラの胃の中からプラスチックゴミが大量に出てきたというニュースを思い出さずにはいられませんでした。
大量のプラスチックゴミが海に流れ出る
プラスチックは驚くほど丈夫で、自然に返ることはありません。海に流れ込むプラスチックゴミは年間500万〜1,300万トンとも言われていて、自然分解されないためずっと海に残ることになります。2050年には海中に漂うプラスチックゴミの重さが海中にいる魚の重さを越えるとも推定されています。
ポイ捨て、屋外に放置されたプラスチックゴミが雨や風によって運ばれて河川に入り、海に流れ着いてしまいます。そして潮の流れなどによって遠くに運ばれ、世界中を漂うようになります。
マイクロプラスチック問題
「マイクロプラスチック」とは5mm以下のプラスチックのカケラのこと。現在51兆個ものマイクロプラスチックが海を漂っているとも言われています。マイクロプラスチックの定義は色々ですが、一番多いのはプラスチックが劣化することで発生するもの。海にあるプラスチックゴミは紫外線や波浪により少しずつ劣化して小さくなっていきますが、その小さな破片が自然に返ることはありません。
このマイクロプラスチックを海洋生物が摂取してしまい、消化器官を閉塞させてしまうことでその個体が死に至ることが問題になっています。また、マイクロプラスチックは残留性勇気汚染物質を吸着させやすいという性質もあります。マイクロプラスチックをプランクトンが食べ、それが食物連鎖を通じて、プランクトン→魚類→人類へと有害物質が蓄積されてしまう可能性も指摘されてきています。
小さなことから始めてみよう
私たち一人一人にできることというのは限られているかも知れませんが、一人一人が意識を変えることで環境改善に貢献できることになります。海洋ゴミの多くを占めているのが「使い捨てプラスチック」。使い捨てプラスチックは平均15分ほど利用されて捨てられると言われています。
・マイボトルを持参する
・マイバッグを持参する
・プラスチックのストローを使わない…等
今日からすぐにでもできる簡単なことから始めてみましょう!
ハワイでは2018年7月からアメリカの全ての州に先駆けて再利用できない薄手のビニール袋や紙袋のレジ袋を禁止し、その他再利用できるレジ袋も有料としました。カナダでは早ければ2021年に使い捨てプラスチックの使用を禁止する方針を発表しました。
ゴミ拾いのボランティア活動に参加してみよう
今回ビーチクリーンを実施したYukaさんは、今後は月1回のペースでビーチクリーン&サンセットヨガの活動を実施していきたいそうです。今後の実施日程はYukaさんのインスタグラムで確認できます。
その他にもハワイでゴミ拾いを実施している団体もあるので、もし旅行中に日程が合うようなら参加してみるのもオススメです!
ビーチクリーニング後のサンセットヨガ
ビーチクリーン後は美しいサンセットを見ながらのヨガクラス。ビーチをきれいにして心が満たされたとあとは身体もヨガで満たしてあげましょう!
ビーチヨガの後には、Yukaさんお手製のクッキーでティータイムも。ビーチをきれいにしたいという美しい動機で集まった仲間の中に流れる空気はとてもクリーンなもので、解散する頃には心身ともに深く満たされた感覚があり、また同じような活動があったら参加したい!とさえ思いました。
私自身は恥ずかしながらあまりボランティアというものに参加したことがなく、このビーチクリーンも久々のボランティア参加でした。ゴミを拾って環境をきれいにすることが、心にとってもこんなにいい影響を及ぼすとは正直思ってもなかったので、自分の感じた気持ちの変化に自分自身でもビックリしました。
ローカルの人だけでなく、観光客にとっても大事なハワイの美しい自然。この自然を守るために何かできることはないかと探している人にはぜひ一度参加して欲しいイベントです!
ライター/寺岡早織
2003年からヨガを始め、その後ピラティスを始める。2010年BASIピラティスインストラクター資格(マット、マシン)を取得し、ピラティス指導を開始。結婚を機に2013年ハワイに移住し、その後もピラティス指導を続ける。2015年よりハワイでの日本人向けRYT200の解剖学講師を務める。2018年よりヨガ・ピラティスインストラクターに特化したプロフィール写真のカメラマンとしても活動を開始。趣味は絵を描くこと。 Instagram (ピラティスアカウント):@saori_pilates、Instagram(ハワイ写真アカウント):@saori_hi_photography
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