黒人ブロガーミア・ケインさんが語る「ウェルネスを一部の特権階級のものにしないために」

 黒人ブロガーミア・ケインさんが語る「ウェルネスを一部の特権階級のものにしないために」
Courtesy of Mia Caine
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この不安と混乱の時期に、自らを安定させ、やる気を保つために、どのようなプラクティスを行ってきましたか?

スローダウンしても良いのです。緊迫感が常にあったとしても、全ての物ごとが常に最高度に重要なわけではありません。時間はあくまで構成要素であり、今日すべてを完了することができなくても問題はありません。一度に全てのことをしようと思う代わりに、私はスケジュールを立て、一度に一つのことに集中できるようにしています。それから、ほぼ毎日、呼吸する時間を作り、瞑想もしています。しかし、自分自身に毎日必ずしなければいけないというプレッシャーはかけません。従って、1日であろうとも数日であろうともスキップしても良いのです。とはいえ、瞑想は重要なことの一つです。朝起きて、波長を整え、自分の呼吸にフォーカスし、また今日も新たな1日を迎え、生きていることをただ祝うのです。5〜10分間の瞑想の後、手帳を開き、自分が感謝している3つのこと、目標を達成するために今日できる3つのこと、誰かの一日をもっとよくできる方法を書き綴ります。すると感謝すべきことがたくさんあること、感謝の心を持ちながら、目標を達成するために仕事が続けられていることを認識し、それによってポジティブなマインドセットを持ち続けることができるのです。

今日必要とされている人種差別防止の活動において、インナーワークは必要不可欠だとお考えですか?

はい、間違いなく必要ですね。たくさんのことが起こってニュースで報道されていますし、毎日のように人がなくなっています。寄付、請願への署名、自分のSNS上での情報発信、人との会話など自分ができること全てを行いながら、心を沈める必要があります。これらの事件は常に起こり続けているため、感情的にならないのは難しいです。黒人女性として、不利なこともありましたが、同時に恩恵も受けました。抱える問題に背を向け、私にはお手上げだ、と言うだけで物事は済むでしょうか?済むかもしれません。でも私はそうしません。私はそれができない人たちがたくさん存在することもわかっています。だからこそ、その人たちのためにも私は立ち上がらなければいけないのです。この活動をサポートし、彼らの声を広げるためにできることは何でもします。私が今暮らしているようにより多くの人々が生活をしっかり送れるように。そして日々恐れや不安を抱えながら暮らすことの内容に。2019年8月に警察によって窒息死させられたイライジャ・マクレーンさんの話を知りました。この事件のように、よくある一般的な事件のように扱われ、報道もほとんどされない事件があまりにもたくさん起こっています。私はそれにただ苛立ちを覚えます。アイビーリーグの教育を受け、人生における多くの素晴らしい経験を踏み、ウェルネス業界で起業家として働いていても、黒人ゆえの問題を抱えています。ある一部で起こっている問題ではなく、どこでも起こり得るのです。

現在、多くの人が無意識に悲しみ、不確実さ、怒り、フラストレーション、哀しみをあまりに多く抱えています。自分の感情に苦しんでいる人たちに何かアドバイスはありますか?

原因を改善し、正義と平等のために戦い続けるためには、できるだけ存在を示していくことが重要ではありますが、自分自身を労っても構いません。自分のコップが空っぽでは誰も助けることはできませんし、その場合、自らを労わり、癒すことに時間を割く必要があります。また、抗議や寄付だけでなく、周りの人々との会話を持つことも重要です。私は周りの皆に警察による暴力や組織的な圧力など、黒人に対する行き過ぎた行為だけでなく、白人の優遇についても話しています。一部の人には難しい議題であり、優遇というコンセプトが不快なことも理解しています。しかし、優遇は大小様々な形で現れます。白人の優遇について理解するためには、例えば、あなたが白人で優遇によって救われている状況、もしくはそれによって他のだれかに辛い思いをさせている状況、そういった様々な観点から考え、本当の意味で理解する必要があります。人々が自分の人生を見つめ、白人の優遇を経験する瞬間を理解しようと努めれば、将来的に自分の身にそれが降りかかった時、ああ、実際に間違ったことがここで起こっているわ、と理解しやすいでしょう。その時こそ、あなたが声を上げるときです。そして奉仕すべき時であり、不正に立ち向かうべき時です。SNS上、同じような考えを持ったフォロワーたちとは既に結束はしているので、SNSにただ何かを投稿することは、表面的なアライシップでしかありません。道を歩いている時も、机に向かって仕事をしている時も、スーパーに向かっている時も、本当に重要なのは目の前に起こっているその現実の瞬間とそれに対して自分がどう応えるかです。あなたが変化を起こすことができるのはSNSの中だけではありません。

教えてくれたのは…アンドレア・ライスさん
アンドレア・ライスさんは、ヘルス、ウェルネス、ライフスタイル分野のライターおよび編集者。これまで、Yoga Journal、New York Yoga + Lifeなどの媒体に寄稿している。また、新聞「ニューヨーク・タイムズ」および「インディ・ウィーク」のジャーナリストとして勤務した経験を持つ。ニューヨーク州ニューヨーク市で200時間のトレーニングを修了し、著名なヨガティーチャーであるエレナ・ブロワーとアレクサンドリア・クロウの元、さらにヨガを学び、10年の経験を持つヨガティーチャーとしても活躍している。

ヨガジャーナルアメリカ版/「Blogger Mia Caine On Conscious, Inclusive Wellness

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By ANDREA RICE
Translated by Hanae Yamaguchi



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転載許可:ミア・ケインさん
Atman Studios