和食はサステナブルフード!「食べる」で目指す持続可能な未来
最近よく耳にする言葉「サステナビリティー」。日本そして世界が抱える環境問題や社会問題を解決し持続可能な未来を目指していくことです。それだけ聞くと難しそうに感じますが、普段の暮らしの中で実践できることがたくさんあります。中でも日本人の私たちが実践しやすいのが「和食(日本食)」を食べるというとてもシンプルな方法です。
ユネスコ無形文化財「日本食」
2013年にユネスコ無形文化財に選ばた日本が誇る伝統的な和食。実は世界でも注目されている「サステナブルフード」なんです。それは和食の特徴を改めて考えてみると理解できることでしょう。
和食の特徴と魅力
多様で新鮮な食材
海や山などに囲まれた島国である日本。北海道から沖縄までと南北に伸びた地形は、新鮮な魚、貝、海藻類など海産物、野菜、果物、きのこ類など山のもまで多様な種類の新鮮な食材を取り入れることを可能にしてくれます。
素材の味を生かした使用方法
土地や地形を活かして生産された日本で採れる多くの食材は”自然のまま”が美味しく、素材の味を生かした調理方法を取り入れているのが魅力の一つです。また「旨味」を使うことによって動物性油脂のを押さえた食生活を実現していることは、日本人の長寿や肥満防止の秘訣とも言われます。海外では旨味は「UMAMI」と訳され、英語として定着しているほどなんですよ。
栄養バランスの良さ
「一汁三菜」を基本としている食事スタイルは栄養バランスの良さも高く評価されています。主食、主菜、副菜、汁物で、1食で五大栄養素が補うことができます。
四季に合った食材を楽しめる
春夏秋冬と四季がある日本。食材の旬を活かした料理があることは日本に住んで、和食を楽しむ醍醐味の一つでしょう。旬の食材は美味しいだけでなく、季節を感じたり、またその季節に必要な栄養素が摂取できるなどのメリットも。
和食を食べてサステナビリティを実践
地産地消
和食は「地産地消」を取り入れやすい食事。「地産地消」とは、地元で生産されたものを地元で消費すること。輸入品は遠方から食材を運ぶため、輸送のためのエネルギーがかかりますよね。その分、二酸化炭素の排出に繋がり環境への影響も大きいと考えられます。一方で、地産地消を実践することで余計なエネルギー排出を防ぐことへ繋がります。
もし自宅の近所に農家や道の駅などがある場合は、利用してみましょう。また最近は、地元の農家の”朝採れ野菜”コーナーを設けているスーパーマーケットも多く見られます。新鮮な食材は、栄養価も高く身体も喜びますよ。
旬の食材
春夏秋冬のある日本は、その季節に応じて”旬”の食材が変わります。ハウス栽培などが進化した現在は”季節外れ”の食材も多く店頭に並ぶようになりましたが、季節を無視した食材を生産することはその分エネルギーがかかってしまいます。
旬の食材は味が濃く鮮度が増します。また食材はその土地や季節に応じて育ちます。例えば、暑い夏の時期や温暖な気候で育つ食材は身体を冷やす効果があり、寒い冬の時期や寒い土地で育つ食材は身体を温める効果があります。つまり、季節や環境に応じて必要な栄養素を摂取することができるということ。
日本のように四季が明確な恵まれた国では、是非その時期に一番美味しい食材をお料理に使ってみましょう!
一汁三菜
ヘルスコンシャスな方々の中には、海外原産のスーパーフードを取り入れた食事スタイルを選択する方もいますが、日本には世界が羨むスーパーフードがたくさんあります。伝統的な日本食のスタイルである「一汁三菜」を取り入れることで、国産スーパーフードをたくさん取り入れることができます。
例えば、納豆やぬか漬けなどの発酵食品、発芽玄米、海苔、甘酒、抹茶など…正しい一汁三菜は1食で五大栄養素が補うことができるため、サプリメントなどに頼る必要もありません!
サステナビリティに導く「ヨガ的な食べ方」と「日本人の食べ方」の共通点
和食を食べるというだけでなく、日本人の昔からの食べ方を意識するだけでも世の中は変えることができます。そしてその食べ方はヨガの思想と共通点があります。
「腹八分に医者要らず」と言う言葉を聞いたことがあると言う方もいるかもしれません。腹八分とは、満腹の状態の80%という意味。要するに、腹一杯食べるのではなくほどほどに留めておくのがよいとする日本人の健康維持法の一つ。
ヨガの経典「バガヴァットギーター」の中には、「“食べすぎ”はヨガに相応しくない。逆に、”食べなさすぎ”でもヨガはできない。」と言う教えが説かれてます。つまり、中庸が肝心で「ほとほどに」と言うことです。この教えは、腹八分に繋がりますよね。
先進国で問題視されているフードロスの問題を考えても、腹八分でほどほどを意識するだけでも、身体のためにも環境のためにも持続可能な未来へ繋げることが目指せるのではないでしょうか。
食べ方だけで未来は救える
普段何気なく選んでいるということも多い食事。日本には和食以外にもたくさんの選択肢がありますが、和食を普段の生活に取り入れることで、持続可能な未来を描くことが可能になってきます。なおかつ、私たちの身体を良い状態にも導いてくれます。
ライター/桑子麻衣子
シンガポール在住8年のライター/Webクリエイター/ヨガインストラクター(全米ヨガアライアンスRYT200保持)。3歳の娘Emmaと夫と3人暮らし。妊娠、出産、育児を経験しヨガを深めたいとインスタクターの資格を取得。Webメディアを中心に記事を執筆しながら、人にも地球にも優しいサステイナブル(持続可能)な暮らしの実践を目指すウェブメディア「House of Emma」を運営。ヨガの教えに基づいた「誰でもどこでもできる」をキーワードに、それぞれの暮らしに寄り添ったエコフレンドリーなファッション、ビューティー、ライフスタイル、ヘルスケア、旅行の提案をしている。 House of Emma: https://house-of-emma.com/
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