ストレスホルモンにも有効?ヨガの効果を科学的に検証する
「ヨガがストレスを和らげる」ことについて、ヨガインストラクターのサリーナ・ストロフズクが教えてくれました。
ヨガにはストレスを緩和する力がある
ヨガは意識をもって練習すれば、癒しやストレス解消の効果をもたらしてくれる。多忙な日々の中で意識的、無意識的な要因から蓄積されるストレスは、やがて身体や心、感情の健康をむしばむ。これが多くの人をヨガに向かわせる大きな理由だ。
私は、ある決意とともにヨガの練習を始めた。その決意とはずばり、精神的な悟りを得ること。冗談ではない。この生涯のうちにどうしても悟りの域に達したかった私は、ヨガならそのプロセスを早められると思ったのだ。もう15年以上前のことだ。正直言って、ポーズとか身体への効果とか、ヨガウエアを着たらどう見えるかとか、ヨガを練習する理由としてよく言われることには一切興味がなかった。言うまでもなく、私はまだ悟りに達していない(むしろ近づいてもいないことは、私の近しい友人たちや家族が証明してくれるはず!)だがこれだけは言える。もしこの十数年の間ヨガと瞑想を練習していなかったら、いま私が感じている安定感や真の自分との繋がりや健康や活力とは無縁のまま、自分自身の魂を見失っていただろう。間違いなく、ストレスで完全に参っていたはずだ。ではなぜヨガの練習を続けた方がいいのか、ストレス緩和とヨガの関係とは何か。私はその科学的な根拠をずっと探ってきた。
あるとき私はハードなヨガ療法でひどいけがを負い、練習を中断せざるを得なくなった。そのほぼ同時期に、私は「ストレスマネジメント」に特化した穏やかなスタイルのヨガを教え始めた。セッションの後は気分爽快で、それがなぜなのか当時はわからなかった。
いま私は、エカヒヘルスシステム(Ekahi Health System)によるディーン・オーニッシュ心臓疾患改善プログラム(Dean Ornish Heart Disease Reversal Program)でヨガや瞑想などを教えている。私のクラスはヨガではなく「ストレスマネジメント」と呼ばれているが、教える内容は伝統的なヨガと瞑想の技法だ。クラスで教えているヨガニドラは古代から伝わる練習法で、身体の部位ごとに意識的にリラックスさせ、最後には自分自身と深くつながり、癒しや回復を味わいながら静けさと平穏に身をゆだねるものだ。この「ストレスマネジメント」クラスを受けるプログラムの参加者たちは、以前に心臓病を患っていたり、何らかの心臓外傷や心臓外科手術を経験していたり、心臓疾患に関わる様々なリスク因子(高血圧、高コレステロール、糖尿病、脳卒中、心臓疾患の家族歴など)を抱えている人たちだ。これらの疾患の多くが身体の慢性的ストレスに直接的な原因があることは科学的に証明されている。そのため、彼らは特にストレス対処を目的としてクラスに参加している。さもないと症状が悪化し、命が脅かされる場合もあるためだ。
ここで慢性的なストレスの解消とヨガの関連性を見てみよう。ヨガは意識をもって練習すれば、癒しやストレス解消の効果をもたらしてくれる。どんなに若くても、健康でも、かつては(または現在)元気でも、誰にでも寿命がある。老いを避けられる者はいない。私たちは皆、生きている間に何らかの痛みや苦しみを経験する。多忙な日々の中で意識的、無意識的な要因から蓄積されるストレスは、やがて身体や心、感情の健康をむしばむ。これが多くの人をヨガに向かわせる大きな理由だ。では私たちを虜にするヨガの感覚的、感情的な効果のすべてを裏付ける科学的な根拠を少し紹介しよう。
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