ヨガポーズの要・背骨の使い方が上達|4つのポーズの入り方とは
姿勢の要であり、エネルギーの通り道でもある背骨は、ヨガで一番といっていいほど重要な部位。背骨は脳からの指令を伝える中枢神経が通っており、土台である骨盤から柱のように伸びて、頭や肩甲骨を支える体の主柱でもあります。そんな背骨を上手に使うためには、「ポーズの入り方」が重要。体が本来持っている動きの機能と連動性を活かす「入り方」をヨガインストラクターの峯岸道子先生が教えてくれました。
背骨を動かすイメージは2種類
垂れる・引き上がる
前屈など、重力に従って背骨が直線的に働くポーズは頭の重さも利用し、重力に身をゆだねて鎖が「垂れる」ように。反対に、重力に反して背骨が直線的に働くポーズは鎖の輪を1つずつ起こすイメージで「引き上がる」ように動かして。
たわむ
側屈・後屈系のポーズは背骨を「たわませる」イメージで、自然な湾曲に。首の力を抜いて背中の筋肉をゆるめると、しなやかなアーチが描けます。
準備運動:スムーズに動ける背骨にリセット
多くの人は、普段の姿勢や日常動作のクセにより、背骨にズレや詰まった箇所ができていて、物理的に背骨が動かしづらい状態になっています。まずは、プレワークで椎骨の並びを整えて間にスペースをつくり、しなやかに動く状態に整えましょう。
背骨を揺らす:魚のように背骨を揺らし左右の動きをスムーズに
脱力した状態で背骨をやさしく揺らし、椎骨を刺激。椎骨の間にあり、クッションの役割を果たす椎間板の弾力性を高めて、背骨が左右になめらかに動くように。
HOW TO
①両手は肩幅、両脚は腰幅に開き、四つん這いになる。
POINT:背骨を反らない
②膝から下を軽く浮かせ、膝頭を支点に左右に大きく揺らす。骨盤が振れるとともに、背骨も自然に動く。ゆっくり8~10往復。
背骨を回す:ダイナミックに背骨をねじり回旋しやすくする
背骨をダイナミックにねじってキープするワーク。背骨がスムーズに回旋するようになるのと同時に、椎骨の間にスペースを与えて詰まりを改善します。
HOW TO
①両手は肩幅、両脚は腰幅に開き、四つん這いになる。左脚を真横に開き、膝を伸ばす。
②右腕を体の下から通し、体を左にねじっていく。左足首をつかむ。
③左手を左腿にのせる。手で太腿を強く押しながら背骨のねじりを深め、たっぷり5呼吸。反対側も。
POINT:腿を押す
背骨を広げる:逆キャット&カウで椎骨の間のスペースを広げる
通常のキャット&カウの呼吸と逆で、背骨を丸めて吸う&背骨を垂らして吐きます。逆手にすると肩甲骨が開いて胸椎の可動性アップ。椎骨の詰まりをさらに取ります。
HOW TO
①四つん這いになり、 指先を手前に向ける。背骨を下から順に丸めてから息を吸い、背骨が広がるのを感じる。
POINT:背骨を広げる
②ため息をついて背骨をストンと落とし、自然にたわませる。吸う、吐くに合わせて5回。
背骨を動かす4つの方法を実践しよう
●前屈系ポーズの入り方:やり方はこちらから
●ねじり系ポーズの入り方:やり方はこちらから
●後屈系ポーズの入り方:やり方はこちらから
●側屈系ポーズの入り方:やり方はこちらから
もっと柔軟な背骨を目指すには?
背骨の詰まりポイントを知ろう
大人になれば、たいてい背骨のどこかに動きづらい箇所があるもの。椎骨のどこかに詰まりがないか、どのあたりに歪みがあるのか、下記のテストでチェックしてみましょう。
HOW TO
壁の前に立ち、体の力を抜いて、体をゆっくり左右に倒します。どのあたりで背骨の動きが詰まったか、左右差はどうか。硬さや違和感を感じる場所があなたのウィークポイント。ヨガを行う際も、その部位を配慮して、そこに痛みを感じないように動きましょう。
ボールを転がして背筋の硬さをゆるめよう
背中には広背筋や脊柱起立筋といった背骨を安定させるための筋肉があります。これらの筋肉が硬いと、いくら背骨を動かしたくても筋肉に邪魔されて動けません。ボールを使って表層の筋膜を刺激し、背面をゆるめましょう。
HOW TO
①直径25㎝程度のボールを用意。仰向けで膝を立て、ボールを首の骨の下に当てて体の力を抜く。
②ゆっくり、心地よく感じられるペースで、ボールを背骨に沿って少しずつ仙骨まで移動させていく。同様に、仙骨から首まで移動させる。ボールは背骨に心地よくなじむ硬さで、空気圧を調整できるタイプがおすすめ。
教えてくれたのは…峯岸道子先生
「Body&Mind Yoga Studio」主宰。2000年に沖ヨガ指導者認定を受け、ヨガの道へ。運動生理学に基づく的確なアプローチで、幅広い年齢層から支持を集める。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
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