マタニティヨガ、いつから始めてOK?妊娠周期別おすすめポーズ、頻度、服装をヨガ講師が解説
「マタニティヨガは妊娠中の運動におすすめ!」とはよく聞くものの、普段と同じヨガをやってもいいのか、また妊娠中にヨガをして本当に危険はないのかなど、気になることもたくさん。そこで実際にマタニティヨガを指導するヨガインストラクターでもある筆者が、マタニティヨガのメリットから妊娠周期別ポーズまで徹底解説!おすすめの頻度や行う際の注意点まで、マタニティヨガの疑問を解決します。
マタニティヨガ、なぜおすすめ?マタニティヨガのメリット
マタニティヨガは、妊娠中にどんな役に立つのでしょうか?大きく3つに分けられます。
妊娠中の体力維持
妊娠期間中はつわりや体の変化で動きにくくなることも。また、腹筋群や骨盤底筋群など特定の筋肉が弱化してしまい、産後にも影響を及ぼします。マタニティヨガは、弱りがちな妊娠中の体力を維持することに役立ちます。妊娠中から体への意識を持つことで、産後の回復のサポートにもつながります。
呼吸のコントロール
ヨガの特徴は呼吸をしっかりと続けながらポーズを行うこと。酸素の供給を絶やさず行うことで、胎児の成長も妨げません。特別な呼吸法でなくても、普段は無意識に行っている呼吸のコントロール方法を練習することで、出産時にもスムーズな呼吸ができると期待できます。
リラックス効果
妊娠中はホルモンバランスの関係で気分の浮き沈みが激しくなりがち。ヨガのゆったりとした呼吸や適度な運動で、気持ちも落ち着きリラックス効果も期待できます。力を抜いたり、自分をリラックスさせる方法を身につけることは、これからの生活にもとても役に立ちますよ。
マタニティヨガはいつから始めたらいい?適した開始時期は
一般的にマタニティヨガの開始時期は安定期に入った妊娠16週以降です。妊娠初期はスタジオでも参加をお断りしている場所が多いでしょう。流産が多い不安定な時期でもあるので、新しく運動を始めるなどわざわざ体に負担をかけることはしない方がベター。ただ、経過などに問題がない場合は、今まで習慣的に運動をしていた人がやめる必要はないとされています。軽いストレッチなどの適度なものならやっても構いませんが、その場合でも自己判断せずに、必ずかかりつけのお医者様に相談し、許可を得てからにしましょう。
マタニティヨガ、どんな服装で行う?
お腹を締め付けない、ゆったりした服装で行いましょう。レギンスなどもいいですが、お腹以外も締め付けがきついものは避けた方がベター。ストレッチの効いた素材のもので、動きやすいものを用意しましょう。
トップスは、冷えに注意。タンクトップなどは冷えることもあるので、快適な温度を保てるよう、体温調節ができるはおりものなども上手く合わせながらレッスンに参加しましょう。
妊娠周期別おすすめヨガポーズ
開始時期や服装のチェックが済んだところで、妊娠周期別のおすすめヨガポーズをご紹介。体調と相談しながら、無理せずに行ってくださいね。
妊娠初期(妊娠2〜4ヶ月)
基本的にマタニティヨガをおすすめしている時期ではありません。無理なくゆったりと過ごしましょう。つわりなどもある時期なので、体調管理を心がけて。
妊娠中期(妊娠5〜7ヶ月)
アンジャネーヤーサナ(三日月のポーズ)
お腹が大きくなってきてももの付け根も圧迫されがち。鼠径部のリンパ節の締め付けを開放することでリンパの流れを促します。下半身をダイナミックに動かすことで筋肉のポンプで血流改善にも!運動量の低下などで足のむくみが出やすいこの時期におすすめ。
やり方
①よつんばいの状態から右手を左手に寄せ、ゆっくり右手のあった位置に右足を踏み込む(手で移動させてもOK)
②両手を右足の膝につき上半身を持ち上げる
③腰に手を添え骨盤を垂直に立てながら右足に踏み込む(腰を反らないように注意)
④ゆっくりと手を床につき、よつんばいに戻る
⑤膝を広げた腹部を圧迫しないチャイルドポーズでお休み
⑥反対側も同様に行う
妊娠後期(妊娠8〜10ヶ月)
猫のびのポーズ
大きなおなかを支える背中も凝り固まりがち、腰痛に悩む人も多い時期です。背中を気持ちよくストレッチすることで負担のかかった背中を楽にしましょう。おしりの穴をしっかり締めて行うことで、赤ちゃんの重さでゆるみがちな骨盤底筋群も使いましょう。妊娠後期に起こりやすい尿漏れの改善や防止になりますよ。
やり方
①よつんばいの状態で、お尻は膝の上にセット。おしりの穴を締め、お腹は背中の方に持ち上げるようなイメージで腰が反るのを防ぎましょう
②手を前に歩かせて気持ちよく背中が伸びるところでストップ。おしりの穴は締め、お腹は持ち上げたまま行います
③手のひらを上に向けると伸びが深まります。安定する方を選んで
④ゆっくり元に戻ったら、膝を広げたチャイルドポーズでお休み
妊娠中やらない方がいいポーズって?
妊娠初期
この時期はゆったりとすごしましょう。あらたに運動を始めたり、激しい運動をすることはおすすめしません。また、全期間を通じてお腹に負担をかけたり、圧迫するねじりやうつ伏せポーズは避けましょう。
妊娠中期
お腹が大きくなり始める時期。長時間の仰向けのポーズはお腹が血流を妨げるので避けましょう。また、体形が変わることで腰に負担がかかり始める人も多いです。お腹を前にせり出す姿勢が多くなり普段から腰を反りやすくなるので、後屈系ポーズは注意が必要。また、力んだりお腹に圧をかけるものは避けましょう。無理やりがんばることも、力みにつながり呼吸が途絶えてしまいます。あくまでも心地よくできるレベルのものを選んで。
妊娠後期
後期はぐんぐんお腹が大きくなる時期。体形の変化による転倒リスクも高まります。バランスを取りにくいポーズは避けるか、必ず転倒しないように支えなどを利用しましょう。また、今までのようにダイナミックな動きもしにくくなります。靭帯のゆるみもすすみ、痛みを感じる人もいるでしょう。無理にがんばるとかえって関節などに負担をかけるので、大きく足を開くポーズなどもおすすめしません。仰向けも苦しくなり、できない人も多い時期。左側を下向きにした横向きの体制にしましょう。
マタニティヨガは毎日やってもいい?おすすめの頻度は
妊娠中のおすすめの運動頻度は一般的に週2~3回、1回60分以内がめやす。ノルマとしてやるのではなく、心地よい時間を過ごすための手段として利用しましょう。軽い運動は気晴らしになったり、気分をリフレッシュさせるのに役立ちます。くれぐれもやりすぎには注意しましょう。疲れを感じたり、お腹の張りを感じたり、気分が乗らない時は無理にやらずにお休みしましょう。
こんな時はやっちゃダメ!マタニティヨガの注意点5つ
1.お医者様の許可は必ずもらう
妊娠中は普段とは違い、予想外の体の変化がたくさんあります。また、大丈夫と自己判断したことが取り返しのつかないことになることも。通常の体の状態とは違うということを自覚しましょう。マタニティヨガやその他の運動に参加する場合は必ずお医者様の許可をもらうようにしましょう。リスクのある妊婦さんの場合は、ドクターストップがかかりますが、必ず指示に従いましょう。赤ちゃんと自分の命を守れるのは自分です。
2.お腹が張ってきたら休んで
運動中にお腹の張りを感じたら、収まるまで休憩しましょう。いつでもお腹の様子に気を配りながらレッスンに参加して。また、いつもと様子が違う時は必ずかかりつけのお医者様に相談しましょう。
3.転倒に注意!
バランスポーズなど立位のポーズでは転倒には気をつけましょう。壁などの支えを利用する、必ず安全を確保して。
4.呼吸を止めないように
強度が高いポーズや、呼吸を止めてしまうような無酸素運動はやめましょう。いつでも呼吸をしながら運動できるペースで行います。
5.過度のストレッチは危険
妊娠中はホルモンの関係で靭帯が緩み負担がかかりやすい時期。過度のストレッチはさらなる負担になり、逆効果です。適度なストレッチと、周辺の筋肉を強化できる適度な運動を心がけましょう。
産後の生活へヨガを役立てよう!
マタニティヨガは、妊娠中の生活を快適にするだけでなく、産後にも役に立ちます。特にリラックスする時間を自分で作ることの練習は、忙しい産後の生活で自分をいたわるためにはとても大切。がんばりすぎてキャパオーバーになりそうな自分に気づいたら、積極的にリラックスタイムをつくりましょう。誰かに頼りながら、自分のペースで過ごせるように、たまには自分のための時間もとって自分をいたわってあげましょう。
ライター/櫻井麻美
大学在学中に世界一周をし、卒業後は日本各地に住み込みで働く。既存の価値観の中で生き方を考えることに違和感を抱き、自分の生き方について考え始める。20歳の時にヨガに出会い、その後ヴェーダンタに触れ、共感。自身でも学びを続けながら、様々な場所でヨガを伝えている。
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