中級アーサナに挑戦!股関節を機能的に動かす4ステップヨガ練習

 中級アーサナに挑戦!股関節を機能的に動かす4ステップヨガ練習
Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

難度が高めの中級ポーズを練習するときに、重要な体のパーツが股関節です。股関節を機能的に動かし、ポーズを安定させる方法を、ステップを追って柳本和也先生がアドバイス。ぜひ試して、力強くしなやかなアーサナを目指しましょう。

広告

強く柔らかな股関節が 完成度を高めるカギ

「体に余計な負担をかけることなくアーサナをとるには、上半身と下半身をつなぐ股関節を柔軟に、そして強く保つことが大切です」と和也先生。股関節が硬いと、その他の部位で代用して無理にポーズをとりやすく、腰や膝を痛めがちに。反対に、股関節が柔らかすぎると体の中心軸がとりにくく、不安定な姿勢になってしまいます。「柔軟で強い股関節をつくるには 股関節まわりを様々な方向に動かしながら、筋肉を刺激することが効果的です」。今回は「締める」「鍛える」「バランス」「柔軟」という4つの方面から股関節を強化。中級ポーズを目指します。股関節の機能が向上すると、 ポーズの深まりも変わってきます。練習を重ねるうちに股関節だけでなく全身がバランスよく強化され、アーサナが美しく決まるようになりますよ」

ウッティターハスタパーダングシュターサナにチャレンジしよう

両脚の股関節がきちんと使えないと体が丸まり、崩れた姿勢に。4ステップのワークで力強くしなやかなポーズを完成させて。

完成ポーズまでのプロセス

立位から左膝を曲げ、右手でかかとを外側から持つ。左手は上へ。

立位から左膝を曲げ、右手でかかとを外側から持つ。左手は上へ。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

骨盤を真っすぐに立て、左膝を少しずつ伸ばしていく。

骨盤を真っすぐに立て、左膝を少しずつ伸ばしていく。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

左膝を伸ばし、左手を肩の高さまで下ろして完成。

左膝を伸ばし、左手を肩の高さまで下ろして完成。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

アーサナのための練習:締・鍛・均・柔のステップで練習しよう

[締める練習:ワシのポーズ]手脚を内に締め軸足を安定

股関節を内側に締め、腕も一つに集めて体の中心に軸をつくります。軸ができると軸足の安定感が高まります。

HOW TO

①左腿に右腿を重ね、左膝を軽く曲げる。右膝下を左ふくらはぎに絡ませ、両手は体の横に

左腿に右腿を重ね、左膝を軽く曲げる。右膝下を左ふくらはぎに絡ませ、両手は体の横に。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

②左肘に右肘を重ねてワシのポーズをとったら、両手を高く上げていく。反対側も。5呼吸キープ
POINT:両手を上げ続ける意識を持つと、背筋が自然と伸び、股関節をしっかり締めることができる。視線は親指に。

両手を上げ続ける意識を持つと、背筋が自然と伸び、股関節をしっかり締めることができる。視線は親指に。
ワシのポーズ/Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

[鍛える練習:半月のポーズ]付け根を強化し動きをサポート

ターゲットは軸足の付け根。ねじりを加えることで脚の付け根の動きをなめらかにしながら強化。目標ポーズの脚が上がりやすくなります。

HOW TO

①両脚を揃えて前屈し、右手をブロックに。左脚を後ろに上げ、胸を開いて左手を上げる。
POINT:上げた脚は、股関節から広げるイメージで。軸足は、股関節からかかとを押すようにしっかり床を捉えて立つ。

上げた脚は、股関節から広げるイメージで。軸足は、股関節からかかとを押すようにしっかり床を捉えて立つ。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

②手を入れ替え、腰から上半身をねじり、左手をブロックの上におく。反対側も同様に。左側の腸骨を内に寄せるようなイメージでツイストする。5呼吸キープ

左側の腸骨を内に寄せるよう
半月のポーズ/Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

これはNG!
胸が落ち、首がすくむと股関節に効かせられない。腕だけに頼らず、背骨を真っすぐに。

胸が落ち、首がすくむと股関節に効かせられない。腕だけに頼らず、背骨を真っすぐに。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

[バランスの練習:戦士のポーズ3]軸足&体幹強化でブレない体に

体が安定しない状態でポーズをキープすることが、軸足と体幹の強化につながります。グラグラしてOKなので、バランスが取れる場所を探しましょう。

HOW TO

①四つん這いから右足を一歩前に踏み出す。左脚は床から膝を上げ、つま先を立てる。

四つん這いから右足を一歩前に踏み出す。左脚は床から膝を上げ、つま先を立てる。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

②姿勢を保てるところまで右膝を伸ばし、両手は親指を重ねて前へ。左脚を後ろに上げる。反対側も行う。5呼吸キープ
POINT:足裏全体で床をしっかり踏み込む。その上で背骨を最大限に伸ばし、両手と上げた脚を遠くに伸ばすイメージでキープ。

姿勢を保てるところまで右膝を伸ばし、両手は親指を重ねて前へ。左脚を後ろに上げる。反対側も行う。
戦士のポーズⅢ/Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

これはNG!
腰が丸くなるとポーズの効果がダウン。手足を前後に引き離す感覚で背骨を伸ばして。

腰が丸くなるとポーズの効果がダウン。手足を前後に引き離す感覚で背骨を伸ばして。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

できる人は
軸足を真っすぐ伸ばす姿勢にトライ。ハムストリングが柔軟なほど膝を伸ばしやすい。

軸足を真っすぐ伸ばす姿勢にトライ。ハムストリングが柔軟なほど膝を伸ばしやすい。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

[柔軟の練習:アルダバッダパドマパスチモッターナーサナ]お尻をほぐしてねじりを深める

外腿~お尻の筋肉をほぐすことがワークの目的。ここが柔軟になると股関節を締めてツイストする動きがラクに。

HOW TO

①脚を腰幅程度に開き、右膝を曲げ、左膝の上に足首をのせる。両手を胸の前で合掌。

脚を腰幅程度に開き、右膝を曲げ、左膝の上に足首をのせる。両手を胸の前で合掌。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

②バランスがとれるところまで、ゆっくり腰を下ろす。目線は斜め上に。反対側も同様に行う。頭~お尻のラインを真っすぐに。5呼吸キープ
POINT::脚のすねは床と平行、足首は立てて保持。足首が伸び、足の甲で踏ん張るとお尻まわりがほぐれない。

右脚のすねは床と平行、足首は立てて保持。足首が伸び、足の甲で踏ん張るとお尻まわりがほぐれない。
アルダバッダパドマパスチモッターナーサナ/Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

これはNG!
骨盤が後傾し背中が丸くならないように。尾骨を後ろに引き、背筋を伸ばす意識を。

骨盤が後傾し背中が丸くならないように。尾骨を後ろに引き、背筋を伸ばす意識を。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)

教えてくれたのは...柳本和也先生
バリでヨガと出会い、日本のアシュタンガヨガの第一人者ケン・ハラクマ氏に師事。ヨガ指導のほか、イベントへの参加、国内外でのリトリート開催など幅広く活躍中。神奈川・辻堂でudayayogastudioを主宰。

モデルを務めてくれたのは...島袋聖南さん
人気番組「テラスハウス」出演後、モデルとして雑誌やショーなどに出演。スタイルブック『I am SEINA』(宝島社)が好評発売中。 IHTA認定ヨガインストラクター2級を取得。現在、IHTA1級コースを受講中。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告

Photos by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
Hair&make-up by Kousuke Hori(+nine)
Text by Minako Noguchi
yoga Journal日本版Vol.58掲載



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

立位から左膝を曲げ、右手でかかとを外側から持つ。左手は上へ。
骨盤を真っすぐに立て、左膝を少しずつ伸ばしていく。
左膝を伸ばし、左手を肩の高さまで下ろして完成。
左腿に右腿を重ね、左膝を軽く曲げる。右膝下を左ふくらはぎに絡ませ、両手は体の横に。
両手を上げ続ける意識を持つと、背筋が自然と伸び、股関節をしっかり締めることができる。視線は親指に。
上げた脚は、股関節から広げるイメージで。軸足は、股関節からかかとを押すようにしっかり床を捉えて立つ。
左側の腸骨を内に寄せるよう
胸が落ち、首がすくむと股関節に効かせられない。腕だけに頼らず、背骨を真っすぐに。
四つん這いから右足を一歩前に踏み出す。左脚は床から膝を上げ、つま先を立てる。
姿勢を保てるところまで右膝を伸ばし、両手は親指を重ねて前へ。左脚を後ろに上げる。反対側も行う。
腰が丸くなるとポーズの効果がダウン。手足を前後に引き離す感覚で背骨を伸ばして。
軸足を真っすぐ伸ばす姿勢にトライ。ハムストリングが柔軟なほど膝を伸ばしやすい。
脚を腰幅程度に開き、右膝を曲げ、左膝の上に足首をのせる。両手を胸の前で合掌。
右脚のすねは床と平行、足首は立てて保持。足首が伸び、足の甲で踏ん張るとお尻まわりがほぐれない。
骨盤が後傾し背中が丸くならないように。尾骨を後ろに引き、背筋を伸ばす意識を。