米・医学博士が提唱する腰痛を防ぐ3つのヨガポーズ
腰椎周辺の筋肉を働かせよう
体をねじる前に、まず腰椎周辺の筋肉を働かせることによって体幹芯部を安定させる方法を習得しよう。次の段階では、少なくともこの安定させる動きが自然にできるようになるまで、深くねじらずに練習を重ねよう。すでに腰痛がある場合は、この段階が特に重要になる。研究によって、腰痛がある人は腰椎周辺の筋肉をうまく働かせられないことと、体幹芯部の筋肉が弱いことがわかっている。今回紹介するポーズを練習すれば、ねじりのポーズで痛みを感じないだけでなく、ヨガマットを離れても腰痛が起きにくくなるだろう。
腰椎周辺の筋肉といえば、腰筋、腰方形筋、臀筋などが挙げられる。いずれも背骨のまわりの筋膜につながっている筋肉だ。
また、 腹横筋を収縮させることもきわめて重要である。腹横筋を収縮させると、天然の「コルセット」が出来上がる。このコルセットは、体の前面から始まって胴体の両側を包み、胸腰筋膜(3層からなる結合組織で、胸椎と腰椎に関係する筋肉を包み込んでいる)に付着している。体幹部のまわりを回るように体の両側を走っている腹斜筋も、この筋膜組織に付着している。
胸腰筋膜は、最も重要な筋膜のひとつだ。というのも、肩帯から骨盤帯へ荷重を伝達する役目を果たしているのと同時に、仙腸関節(背骨の基部にあり、仙骨が腸骨に結合している部分)の安全性を保つうえで重要な組織だからだ。興味深いことに、腹横筋と胸腰筋膜を引き締めると腹部コンパートメント内の圧力が高まり、腹部の臓器が腰椎を圧迫して、腰椎がさらに安定する。
背骨は極端に回旋したり屈曲するようにできていないため、このような筋肉を働かせることが重要になる。実際、だからこそ背骨には面関節がある。面関節とは、内側が軟骨で覆われた関節で、背骨に沿って並んでいる。面関節と面関節の間から脊髄神経が出て他の部分につながっている。面関節は、背骨の動きを制限することにより、過度な回旋や屈曲から背骨を守る働きをしている。背骨を安定させずにねじると、椎間板だけでなく面関節にも炎症が起きて、痛みがさらに大きくなる恐れがある。
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