〈更年期〉自然の変化がもたらす「見えないストレス」でしんどい人に→春の不調を乗り切る4つの習慣


更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
「春はなんだか体が重い」「イライラが止まらない」「夜中に目が覚める」――こんな悩みを感じていませんか?特に更年期を迎えた女性にとって、春は体調の波が大きくなる季節。実はその不調、単なる「年のせい」ではなく、春特有の環境変化が大きく影響しているかもしれません。
実は春はとてもご相談が増える時期でもあります。意外に多いお悩みをご紹介していきます。なんとなくのあなたの不調当てはまってないか、是非チェックしてください。

春の自然がもたらす「見えないストレス」6つ
1. 気温差7℃以上の「春の寒暖差」で自律神経が大混乱
春は1日の中で朝晩と日中の気温差が7℃以上になることも珍しくありません。更年期で自律神経が不安定な体には、この気温差が大きな負担に。
「昼間は汗ばむほど暑いのに、夜は手足が冷えて眠れない」
「朝は調子が良かったのに、午後から急にだるくなる」
こんな症状に心当たりはありませんか?
2. 低気圧と高気圧が交互に通過「春の気圧ジェットコースター」
3月~5月は気圧の変動が激しい時期。天気がコロコロ変わることで、
・頭が重い
・めまいがする
・関節が痛む
といった不調が出やすくなります。
更年期の女性は血圧変動も大きいため、特に影響を受けやすいのです。
3. 花粉・黄砂・PM2.5のトリプルパンチ
「今まで平気だったのに、急に花粉症になった」
「目のかゆみで夜中に目が覚める」
春の空気中に漂うアレルゲンが、知らないうちに体を疲れさせています。
新生活のストレスが更年期症状を悪化させる
4. 新年度スタートによる「環境変化ストレス」
4月は職場での配置換え、子どもの進学・進級など、生活リズムが変わりやすい時期。
・新しい人間関係
・慣れない業務
・通勤ルートの変化
こうした変化が知らず知らずのうちにストレスとして蓄積。更年期のイライラや不眠を悪化させます。
<エピソード>
48歳のBさんは、息子の大学進学で一人暮らしが始まった4月から、急に不眠に悩まされるように。いわゆる「からの巣症候群」と病院でも言われました、
そちらもあいまって不定主訴が一気に出てきています。ホルモン補充療法も同時に開始されました。
5. 職場での立場変化によるプレッシャー
更年期世代は職場でも重要なポジションについていることが多く、
・管理職としての責任
・若手社員との世代ギャップ
・新しいシステムへの適応
といったプレッシャーが加わりやすい時期。これが心身の不調につながります。
6. 家庭内の役割変化による負担増
・子どもの独立で食生活が変わる
・親の介護が本格化する
・夫の定年で家にいる時間が増える
こうした家庭環境の変化も、更年期の女性にとっては大きなストレス要因に。
環境変化が引き起こす体のサイン3つ
7. 寒暖差で「冷え」と「ほてり」が同時発生
春の気温差で、更年期の代表的な症状であるホットフラッシュが悪化します。
「オフィスで急に汗が止まらなくなる」
「夜中に布団から飛び出すほど暑いのに、明け方は震えるほど寒い」
こんな経験はありませんか?
8. 気圧差で「めまい」「頭痛」が頻発
低気圧が近づくと、
・朝起きられない
・頭が締め付けられるように痛む
・ふわふわしためまいがする
といった症状が出やすくなります。
9. 環境ストレスで「腸の不調」が悪化
新しい生活が始まるストレスで、
・便秘と下痢を繰り返す
・お腹の張りが気になる
・食欲が不安定
といった腸の不調も起こりやすくなります。
【対策】春の不調を乗り切る4つの習慣
1. 環境変化には「2週間ルール」で対応
人間の体が新しい環境に慣れるのに約2週間かかると言われています。
・無理をせず、最初の2週間は特に休息を多めに
・新しいスケジュール帳を使い、予定を可視化
2. 職場ストレスには「区切りタイム」を作る
・昼休みは必ず席を離れる
・帰宅後15分は何もしない「ボーッとする時間」を確保
3. 寒暖差対策は「首」がポイント
・マフラーやストールで首元を温める
・薄手のカーディガンを常備
4. 腸内環境を整える「発酵食品+食物繊維」
・朝食に味噌汁と納豆
・間食はヨーグルトやキムチ
「春の不調」は一時的なもの。自分を責めずに
更年期の春の不調は、
・自然環境の変化
・生活環境の変化
・体の変化
この3つが重なって起こります。
「頑張りすぎない」
「完璧を求めない」
「2週間かけてゆっくり慣れる」
この3つを心がけて、春の不調を乗り切りましょう。新しい環境に慣れる頃には、きっと体調も落ち着いてきます。
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