「薬は水以外で飲んじゃダメ?」薬を水で飲まなければいけない本当の理由


薬を食後に飲む際に「手元のコーヒーやお茶で飲んでしまいたい」と思われた経験がある方もいるのではないでしょうか。薬は水やぬるま湯で飲むのが基本といわれますが、それにはきちんとした理由があります。本記事では、正しい薬・サプリメントの飲み方について管理栄養士・医薬品登録販売者の筆者が解説します。
薬を水で飲むべき理由
薬を水かぬるま湯で飲まなくてはならない理由は、薬の服用によって期待できる効果をきちんと引き出すためです。たとえば牛乳やジュース、炭酸飲料を飲むと薬の吸収が悪くなることで、薬の効果を十分に得られないという場合があります。対して、組み合わせによっては薬の効果が増大してしまう恐れがあります。水であっても、一口程度の少量では食道を傷つけてしまうことがあるため、基本的には「コップ1杯の水で服用する」と覚えておきましょう。
エナジードリンク・栄養ドリンクとの併用も要注意

「医薬品と併せて、栄養補給のために栄養ドリンクを飲みたい」という方もいらっしゃるのですが、この場合も注意が必要です。たとえば眠気防止薬や一部の風邪薬にはカフェインが含まれますが、栄養ドリンクやエナジードリンクにもカフェインが配合されている商品があり、それらを併せて飲むとカフェインの過剰摂取となってしまう恐れがあります。カフェインが多く含まれるコーヒーや紅茶といった飲み物の同時摂取も避けましょう。また、サプリメントの感覚で手に取った栄養ドリンクが、実は医薬品である場合があります。薬を服用中に薬局などで栄養ドリンクを購入する際は、薬剤師や登録販売者に相談することをおすすめします。
サプリメントも水での摂取がおすすめ

サプリメントなどの健康食品は医薬品ではないことから、メーカーは用法・用量を指定することができないルールとなっています。一方でサプリメントのパッケージには「お水またはお湯とともにお召し上がりください」といった摂取の推奨方法や、1日あたりの目安量が記載されているため、表示をよくチェックしてから摂るようにしましょう。サプリメントも飲み物によっては吸収の影響が出てしまう場合があるため、せっかくの栄養補給を無駄にしないためにも、水での摂取をおすすめします。
また、食品扱いのサプリメントも、医薬品と組み合わせて摂取すべきでない種類もあります。普段からサプリメントを飲んでいる方は、受診や薬局で医薬品の購入を検討する際には必ず医師・薬剤師に申告するようにしましょう。
まとめ
本記事では、薬を水で飲むべき理由や薬・サプリメントの飲み方を紹介しました。薬やサプリメントはコップ1杯の水あるいはぬるま湯を用いて、安定した姿勢でゆっくりと飲み込むことが大切です。正しい飲み方を意識することで、自身の健康管理につなげていきましょう。
〈参考文献〉
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