「こんにゃくの下ゆでが面倒…」アク抜きしなくていいこんにゃく&簡単アク抜き法を管理栄養士が解説


こんにゃくはアクを抜かないといけないと思っていませんか?こんにゃくのアク抜きは下ゆでが基本ですが、そのひと手間がなくなれば、時短にもなりますね。実際はどうなのでしょうか。

こんにゃくのアクってなに?
こんにゃくの原料はこんにゃく芋。こんにゃく芋を蒸したりゆでたりして柔らかく加熱したものをすりつぶしたものや、生のこんにゃく芋を乾燥・製粉した精粉を水で溶いたものに、凝固剤である石灰水などのアルカリ性物質を混ぜ、熱湯で固めて作られています。そんなこんにゃくのアクの正体は、こんにゃく芋に含まれる「シュウ酸カルシウムやフェノール誘導体」と凝固剤として使用されている「消石灰(水酸化カルシウム)」のえぐみ成分や、こんにゃく芋の臭み成分である「トリメチルアミン」などだといわれています。

アク抜きしなくていいこんにゃくってどんなこんにゃく?
「アク抜き不要」とパッケージに書かれたこんにゃくを目にすることもありますが、一体なにが違うのでしょうか。
・精粉こんにゃくが原料:こんにゃくの種類には、生芋こんにゃくと精粉こんにゃくがあります。生芋こんにゃくは昔ながらの製法で、こんにゃく芋を生のまま、またはゆでて皮をむいてすりおろして使っており、こんにゃく芋のならではの食感が感じられるとともに、栄養成分も高く、風味もアクも強いという特徴があります。一方、精粉こんにゃくは、こんにゃく芋を薄く切って乾燥させて細かい粉にしたものを原料としており、高品質のものは生芋由来の不快を感じる成分のほとんどを除去しているため、アク抜きする必要はありません。
・製法:大造製法・缶蒸し製法:仕上げに直接お湯につけて煮上げたり、低温の湯で時間をかけてじっくりと仕上げたりするような製法のこんにゃくはアクが抜けています。
・凝固剤の種類:独特な臭みがある消石灰(水酸化カルシウム)ではなく、ホタテ貝殻から作られた天然由来の「貝殻焼成カルシウム」を使用している場合は、アクが気にならなくなります。

こんにゃくの簡単アク抜き方法は?
においが気になるこんにゃくは熱湯で1~3分ほどゆでてアク抜きしますが、ほとんどのこんにゃくはアク抜きしなくてもOK。包装される際に、水酸化カルシウムなどの凝固液と一緒に入れられているため、袋から出したこんにゃくは水ですすぎ、切ってからさらに水洗いすることでにおい成分を流すことができますよ。それでも気になる場合は、カットしたこんにゃくに塩を揉み込んで5分ほど置き、水洗いしましょう。
精粉こんにゃくは、原材料表示を見ることで見分けられますよ。実は精粉こんにゃくの基本の色は白。そこに海藻などでこんにゃくならではの色や粒々をつけたりしています。アク抜きの必要のないこんにゃくと上手に使い分けたいですね!
参照:
・刺身こんにゃく(さしみこんにゃく)|にっぽん伝統食図鑑:農林水産省
ライター/大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
Instagram:@tsukiko_shoku_mind
blog:管理栄養士 大槻万須美♪楽しく食べて健康に♪
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