白いこんにゃくと黒いこんにゃくは何が違う?どちらが健康的?管理栄養士が解説
スーパーの売り場に並ぶこんにゃくをよく見ると、白いものと黒いものがありますね。これらのこんにゃくは何が違うのか、栄養価に違いはあるのか気になりませんか?そこでこの記事では、白いこんにゃくと黒いこんにゃくの違いを管理栄養士が解説します。どちらを購入しようか迷ったときに、参考にしてくださいね。
こんにゃくの色が違う理由
白いこんにゃくと黒いこんにゃく、実は基本的な原材料は同じです。しかし黒いこんにゃくのみ、海藻の粉末を加えて色を付けています。つまり黒いこんにゃくも、本来は白色なのです。
こんにゃくの原材料はこんにゃく芋です。かつては、こんにゃく芋を皮ごとすりつぶして製造していたため、皮が混入して黒っぽい見た目をしていました。
こんにゃくの凝固剤に藁の灰を利用していたことも、こんにゃくの色に影響していたといわれています。
しかし江戸時代より、こんにゃく芋を粉末にした製粉(せいこ)からこんにゃくを製造するようになりました。加工途中にこんにゃく芋の皮が取り除かれるため、製粉は真っ白。製粉から作られるこんにゃくも白く仕上がります。
ところが以前の黒いこんにゃくに見慣れていた地域では、白いこんにゃくが好まれませんでした。そこで海藻の粉末を加えて、芋から作るこんにゃくに似せた黒いこんにゃくが製造されるようになったのです。
関東よりも西の地域では、現在も黒いこんにゃくが多く流通しています。一方、こんにゃく芋があまり栽培されていなかった東北や北海道では、白いこんにゃくがよく使われています。
栄養価に違いはある?
こんにゃくに含まれる主な栄養成分は、次のとおりです。
100g当たりの栄養 | 製粉こんにゃく |
エネルギー(kcal) | 5 |
たんぱく質(g) | 0.1 |
脂質(g) | 0 |
糖質(g) | 0.1 |
食物繊維(g) | 2.2 |
カリウム(mg) | 33 |
カルシウム(mg) | 43 |
こんにゃくの97%以上は水分です。こんにゃく芋に含まれる食物繊維のグルコマンナンは吸水性・保水性がとても高く、ごくわずかな量でも多くの水分を保持します。こんにゃくが低カロリーなのは、ほぼ水分で構成されているためです。
こんにゃくの凝固剤は現在、主に水酸化カルシウムが使われているため、こんにゃくにはカルシウムも含まれます。
上記は、製粉から作られる白いこんにゃくの栄養価です。黒いこんにゃくは海藻の粉末を加える分、食物繊維やミネラルが多くなると考えられます。
黒いこんにゃくの製造に使われる海藻は、ヒジキ、アラメ、カジメなど。ヒジキは煮物でおなじみの、黒くて細長い海藻ですね。アラメとカジメは昆布の仲間です。アラメは若干赤みがかった黒色をしており、カジメも黒に近い色をしています。
これらの海藻は食物繊維が豊富です。カリウム、カルシウム、マグネシウム、ヨウ素などのミネラルも多く含まれています。
カリウムは体内の余分なナトリウムを排出し、体のむくみや高血圧を防ぐ効果が期待できるミネラルです。カルシウムとマグネシウムは骨の形成に作用し、ヨウ素はホルモンの材料になります。
またアラメやカジメには、海藻のぬめりのもとであるアルギン酸やフコイダンが含まれます。これらの成分は水溶性食物繊維であり、水分を含むとゲル状になることが特徴です。腸内のコレステロールを包み込んで排出するため、コレステロール値の低下に役立つ成分とされています。
栄養が多いのは黒いこんにゃく、でも…
こんにゃく自体はほぼ水分で構成されており、栄養成分は少量しか含まれていません。しかし、黒いこんにゃくには海藻由来の成分が含まれています。そのため栄養成分の種類や量が多いのは、黒いこんにゃくであると考えられます。
とはいえ、海藻に由来する成分の量はごくわずか。こんにゃくは一度にたくさん食べる食品ではないことからも、健康効果が期待できるほどではないでしょう。
白いこんにゃくと黒いこんにゃく、どちらを購入しようか迷ったときは、食べる人の好みや料理の見た目で選んでかまいません。差はわずかでも栄養価で判断したい場合は、黒いこんにゃくを選んではいかがでしょうか。
【参考文献】
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
一般財団法人 日本こんにゃく協会 「こんにゃくの種類」
宮越俊一「こんにゃくとグルコマンナンの化学」
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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