【歯間フロス習慣が脳卒中リスクを軽減!?】最新研究が示唆!

 【歯間フロス習慣が脳卒中リスクを軽減!?】最新研究が示唆!
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2025-02-19

フロスを行うことは歯に良いだけでなく、心臓や脳の健康も守ってくれるかもしれない。

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新しい研究によると、フロスを週に1回でも行うと、脳卒中のリスクを軽減できる可能性があることが分かった。

フロスと脳卒中の関連性の探索

この研究には、参加者への詳細なアンケートに基づいた約6,300人分のデータが用いられた。データには、歯磨きの習慣や歯科検診の頻度などの口腔衛生に関する情報、および高血圧、糖尿病、高コレステロール、喫煙、肥満指数などの健康状態に関する情報が含まれていた。参加者の約65%が、少なくとも週に1回はフロスを行っていると回答した。25年間の追跡期間中に、434人の参加者が脳卒中を発症し、1,291人が心房細動を発症した。

データの分析の結果、フロスを使用している人は、使用していない人と比較すると、脳卒中の最も一般的なタイプである虚血性脳卒中のリスクが22%低く、心原性脳塞栓症(心臓から移動した血栓が脳の血管に詰まって起こる脳梗塞)のリスクが44%低いことが分かった。また、脳卒中や心不全のリスクを高める心房細動のリスクが12%低下することが分かった。 これらのリスクは定期的な歯磨きや歯科検診とは関係なく、フロスを行うことで低下することも分かった。

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さらなる研究の必要性

この研究は査読(第三者の専門家による研究内容の査定)を経ておらず、また、治療や介入を行わずデータの分析を行う観察研究であるため、フロスが心臓病リスクを低下させるという決定的な証明にはならないしかし口腔衛生と脳卒中との関連性を指摘した研究は、これが初めてではない。 関連性が認められることから、アメリカ心臓協会は心臓に良い生活習慣の一環として、歯科医を受診し定期的に歯科検診を受けることを推奨している。

なぜフロス習慣が脳や心臓の健康につながる?

フロスは、歯間に残った食べかすから発生する細菌の蓄積を防ぐことによって、脳卒中のリスクを軽減する可能性があると血管外科医ウィリアム・シャッツェ医師は話す。この細菌は脳や血流に入り込み、血管に炎症を引き起こし、血栓の原因となることがある。また、歯周病にともなう慢性炎症の原因となり、心血管の機能低下につながる可能性もある。「これにより、突然の血管障害、脳卒中、さらには心臓発作のリスクが高まります。」とシャッツェ氏は言う。シャッツェ氏はさらなる研究が必要であることを認めながらも、この研究結果は血栓や脳卒中を予防するための「新たな手段」を示唆していると述べた。

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口腔衛生における歯科医からのアドバイス

研究によると、フロスは歯磨き前に使用する方が効果的だ。また、歯科医師ランディ・クニック氏は口腔衛生について以下のようにアドバイスしている。

  • 歯磨きは時間をかけ、歯垢がたまりやすい歯肉のラインも含め、歯のすべての表面を磨く。エナメル質を傷つけたり歯肉を刺激しないよう、毛の柔らかい歯ブラシの使用がおすすめ。
  • 歯磨きやフロスに加えて、食生活にも配慮を。虫歯の原因となる細菌の栄養となるため、甘いスナック菓子や清涼飲料水は控える。代わりに、リンゴやニンジンなどの歯ごたえのある野菜や果物を間食にすることで、唾液の分泌が促進され口内を自然に保護してくれる。
  • 定期的な歯科検診を欠かさない。歯科医院でクリーニングや検査を受けることが、症状が深刻化する前に発見する鍵となる。

歯磨き、フロス、バランスのとれた食事、そして歯科医院での検診。実は口腔衛生はシンプルです。」とクニック医師は話す。

出典

https://www.health.com/flossing-as-little-as-once-a-week-may-protect-against-stroke-8781732

https://www.stroke.org/en/news/2025/01/30/flossing-may-reduce-risk-for-stroke-and-irregular-heart-rhythm

https://www.everydayhealth.com/heart-health/flossing-once-a-week-may-lower-stroke-risk/

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