「体重という数字よりも、筋肉をどうつけるか」菊池瑠美さんが語る、渡米生活で変わった体型への価値観

 「体重という数字よりも、筋肉をどうつけるか」菊池瑠美さんが語る、渡米生活で変わった体型への価値観
Photos by Azusa Hasegawa

アナウンサーとして活躍後、2016年に野球選手の菊池雄星さんと結婚。メジャーリーガーとなった菊池さんとともに現在はアメリカを拠点に活動する菊池瑠美さん。渡米後、本格的に始めたトレーニングで明るくポジティブに変わることができたという瑠美さんは、その経験を発信するとともに、2024年9月には「Beauty&Wellness」をコンセプトにしたアパレルブランド「The Ruby’s」をローンチ。インタビューVol.2では、産後の体型をSNS等で批判された経験を持つ瑠美さんに、体型に関する日米の認識の違いや自分らしいスタイルを保つ秘訣などをお聞きしました。

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体重よりもどう筋肉をつけるかが大事に

――インタビューVol.1では、渡米後に本格的に始めたトレーニングが自身の固定観念を壊し、自分の体と向き合う転機になったとお聞きしました。振り返ると、産後の体型をSNS等で批判されたこともトレーニングを始めるきっかけだったとお話していらっしゃいましたが、体型に関する日米の認識の違いについては、どんなことを感じていらっしゃいますか。

瑠美さん:アメリカでは人の外見を批判したり、相手を傷つける行為は決して許されるものではなく、ありのままの自分を受け入れようという前向きな考え方が社会に浸透していることを実感します。トレーニング文化が根付いているということもあり、私の周りには筋肉をつけてかっこいい体を目指す友人が多いですね!以前のチームメイトの奥様とは一緒に流行りのジムへ行って、最新のトレーニングを体験しました。運動後にはプロテイン入りのスムージーを飲みながら近況を報告し合うという、筋トレ女子の朝活に招いてもらいました(笑)。

――多くの日本人が持つ「痩せ願望」については、どう思っていらっしゃいますか。

瑠美さん:痩せたい、という気持ちはすごくよく分かります。私も若いころは、ダイエットが永遠のテーマでしたから。どうやったら痩せるんだろう。周囲と比較して太っているとか、1キロ増えただけでもどうしようとか。そういうことばかり気にしていました。アメリカでトレーニングを始めたときも、正直まずは痩せることが一番の目的でした。

でも、トレーニングを続けるうちに痩せるだけでなく、自分らしい体型を作ることの方が大事だなと思うようになっていったんですね。体重という数字よりも、筋肉をどうつけるか。今日は、こっちの筋肉を鍛えようといったような観点に変わっていきました。体重を減らして細くするよりも、内側からパンプアップするようなメリハリのある体型を目指すようになったのは、アメリカでトレーニング仲間ができて、様々な考え方や価値観に触れたことが大きかったのかもしれません。「痩せる」ことにこだわらなくてもいいのにな、と今は思いますね。

日本にいると、周りの目を気にしすぎているなと感じることも多くあります。どうしても比較しがちで、だからこそ痩せ願望があるのかなと。そういったことが全く気にならないわけではないですが、私は運動をすることで周りではなく自分に集中できるようになりました。自分がハッピーで楽しく毎日を過ごせれば周りがどう言おうと大丈夫、という気持ちになれたように思います。

――周りの声に惑わされず、自分がハッピーに思うことを追求するということも大切なことですね。

瑠美さん:そうですね。私の幸せは家族が幸せに日々過ごすことでもあるので、どうやったら夫が楽しく野球をできるかな。そのために私にできることは何だろう。必要な栄養素は何だろう。息子は何を食べたいかなとか、そこにフォーカスを当てて毎日を過ごしています。でも、それを実行するためには、まず自分がハッピーでないと周囲を本当の意味で幸せにすることはできないのだと気付きました。

新しく立ち上げたアパレルブランド「The Ruby’s」では、イベントを開催するなどフィットネス情報の発信にも力を入れていますが、それは自分がトレーニングを通して得た経験を皆さんに伝えて、同じようにハッピーになってほしいという想いもあるんですね。「The Ruby’s」のアパレルを着ることで、皆さんご自身が、自分を愛して、女性としてハッピーに生きることを大切にしていただけたら良いなと願っています。

過去にとらわれることなく今を大切にする

――お話を聞いていると、常に前向きな考え方をされているんだなと感じます。落ち込んだときにはどうやって気持ちを回復されているのでしょうか。

瑠美さん:まず、やっぱりトレーニングですよね(笑)。運動することが発散につながっているところもありますが、どうして自分が傷ついて落ち込んでしまったのか。自分と対話する時間を作るようにもしています。落ち込むときって、内的要因なこともあれば、外的要因のこともあって。自分が原因であれば次はこうしようと学びになりますが、外部的な要因のことはもうどうにもならない。起きてしまった瞬間に私は過去のことだと感情を自分で整理するようにして、振り返らず前を向くようにしています。過去にとらわれていると、せっかく目の前で楽しいことが起きていても、その瞬間を見失ってしまいそうでもったいないですよね。終わったことは終わり。今は今だと思うようにしています。

――過去と未来を切り離して、今を大切にする、というのはヨガの考え方とも通ずるところがありますね。

瑠美さん:SNSで体型を批判されたこともそうですが、さまざまな経験を通して学んだところもあるかもしれません。落ち込んでいるときは自分が世界で一番悲しい人と思いがちですが、未来の視点から見ると、それはすごく小さなことで10年後の自分はそれを覚えていないかもしれないと思ったら、今が一番大事なんだなと考えるように。だったら、トレーニングで汗とともに流してすっきりしよう!という感覚になっています。

菊池瑠美

→【インタビューの続き】夫・菊池雄星を支える渡米生活のなかで変わった心と体。瑠美さんが語る「自分らしさ」とは?、はこちらから。

【プロフィール】

菊池瑠美

1986年生まれ。フェリス女学院大学卒業。
キャスターとして報道、バラエティ、スポーツ番組などに出演。
2016年に現エンジェルスの菊池雄星投手と結婚し、2019年にに第一子を出産。
野球選手の妻として夫をサポートする傍ら、2024年には株式会社を設立し、CEOに就任。アパレルブランド「The Ruby’s」をローンチした。フィットネスイベントを主催するなど、女性を応援するための取り組みに尽力している。

ドレス:Crew Neck Dress (BK) ¥20,790(税込)(The Ruby’s)、カーディガン:本人私物

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Photos by Azusa Hasegawa
Hair&make-up by TOM
Text by Mitsue Yoshida

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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