小脳の働きと運動の話|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと

 小脳の働きと運動の話|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと
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得原藍
得原藍 2018-11-28
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小脳の機能と役割

小脳は機能的には古小脳、旧小脳、新小脳に分けられます。(それぞれの解剖学的な名称はそれぞれあります。)名前の通り進化の道筋をたどる中で発達してきたと考えられていて、古小脳は魚類にも見られます。
古小脳では、身体の平衡を保つための視覚と前庭覚の情報がイン・アウトしています。眼球運動のコントロールと平衡を保つ反射反応も担っています。
旧小脳では、三叉神経や、視覚、聴覚および脊髄からの情報を受けるとともに、出力は大脳皮質と脳幹に達して運動を調節します。脊髄小脳には感覚地図が存在しているので、身体部位の空間的位置データを整理することにも役立っています。
新小脳は、大脳の運動野と密接に関わっていて、運動の計画や実行に必要不可欠です。
こういった全ての機能を動員して、小脳は運動をコントロールしているのです。

小脳はまた「運動の記憶」を保存している場所だとも言われています。よく例に出るのは自転車で、一度乗ることが出来るようになってしまえば、それを忘れることはほぼありません。同じように一度習得してしまえば「自動的に」遂行できる運動は全て、小脳にその「運動の記憶」が残されていると考えられています。
運動を自動的に実行できるようになること、例えば、正しい姿勢をとること、正しい軌道で身体を動かすこと、そういったことができるようになるには、小脳に「運動の記憶」を刻み込まなければなりません。

ヨギのみなさんにとって、ヨガは新しい運動の記憶を創り出す過程でもあると思います。その過程で自分自身の身体のコントロールと向き合うとき、小脳が司っている運動の4つの軸を無視することはできません。強度、空間、時間、連動と切り返しを意識してヨガと向き合ってみてはいかがでしょうか。
また、この運動の記憶をなぜ小脳に保存することが出来るのか、それはシナプスのどのような機能でどの物質が関与しているのか、というような分子生物学的な説明も少しずつ解明されてきています。ヨガをしながら、自分の小脳の中で起こっている運動記憶のトレースと書き換えについて、思いを馳せてみるのも楽しいかもしれません。

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