56歳前後に要注意!実は男性にもある「更年期障害」症状と起こる仕組み、おすすめの漢方薬は?

 56歳前後に要注意!実は男性にもある「更年期障害」症状と起こる仕組み、おすすめの漢方薬は?
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永田京子
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2024-11-12
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漢方薬は症状だけでなく体質にもあったものを使うことが大切

漢方薬とは、2種類以上の生薬(しょうやく)を組み合わせて作った薬のことです。「生薬」は、植物の葉や根、鉱物、貝殻、動物の一部などを蒸したり、乾燥させたりして加工したりして作られます。

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漢方薬は体質改善のための薬です。人間が本来持っている自然治癒力を高め、体調を整えていく効果が期待できます。また、漢方薬は、その人の症状だけでなく、体質にあったものを使うことが大切です。その体質をわかりやすく表現したのが「証」です。簡単に説明すると、体力があり、体格もがっしりしていて活動的な人を「実証」、体力がなく、寒がりでか細く、静的な人を「虚証」、どちらでもない状態の人を「中間証」としています。

Chart by Kyoko Nagata
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同じ症状であったとしても、その人の体質によって漢方薬は合う合わないが分かれます。自分の体質を知って、体質に合ったものを選ぶことが大切です。

男性更年期障害の不調には老化を抑えて若々しく保つ漢方がよく使われる

では、男性更年期障害の不調によく使われる漢方について紹介していきましょう。男性更年期にはよく「補腎剤(ほじんざい)」と呼ばれる、五臓六腑の「腎」、つまり泌尿器・生殖器・腎臓などの働きの低下を改善するための漢方がよく使われます。いわば、老化を抑えて若々しく保つ漢方です。代表的な漢方を3つ紹介しましょう。

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①補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

虚証の人向けで、胃腸の働きを助けて気を養います。筋力が少なく、疲れやすい、なかなか疲れが取れない人に向いています。急な発汗やむくみ、皮膚のトラブル、性機能の低下などのほか、男性更年期障害の不調の緩和にも使われます。

②八味地黄丸(はちみじおうがん)

虚証から中間症の人によく処方されます。生命力の源である腎を補う補腎剤の1つです。手足が冷えやすかったりむくんだりしやすい人に向いており、老化予防、頻尿、生殖器や腎機能の低下、男性更年期障害などに使われます。

③牛車腎気丸で(ごしゃじんきがん)

虚証の人向けで、八味地黄丸と似た効能があります。むくみやしびれがある人に使われます。これも泌尿器、生殖器など、腎の機能を改善するほか、男性更年期障害などにも使われます。

ほかにも、抑うつ傾向のある場合、虚証の人には香蘇散(こうそさん)、実証の人には大柴胡湯(だいさいことう)などが使われます。また、冷えのぼせや頭痛、不安感やイライラが止まらない場合、虚証の人には桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、実証の人には柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)が使われることがあります。

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