56歳前後に要注意!実は男性にもある「更年期障害」症状と起こる仕組み、おすすめの漢方薬は?

 56歳前後に要注意!実は男性にもある「更年期障害」症状と起こる仕組み、おすすめの漢方薬は?
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永田京子
永田京子
2024-11-12

最近では、女性だけではなく男性にも更年期があり、女性同様に更年期症状が起こることもあることが少しずつ知られるようになってきました。男性の更年期の症状にも対処法があり、その一つが漢方薬の使用です。今回は、そもそも男性更年期障害とはどういうものか、また、その不調を楽にする漢方薬について紹介します。

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男性更年期は56歳前後に要注意!? 症状と起こる仕組み

男性の更年期障害の症状は、男性ホルモン(テストステロン)の低下によって起こります。脳から精巣にテストステロンを分泌するように指令が送られ、その結果、精巣からテストステロンが分泌されます。しかし、加齢や強いストレスによって脳からの指令が出にくくなると、テストステロンは低下していきます。テストステロンが低下すると、自律神経が乱れやすくなります。すると、ホットフラッシュと呼ばれるような、急な発汗、ほてりが起こったり、不眠、動悸、息切れ、抑うつ、イライラなど、女性と同じような更年期の不調が出てくるのです。また、男性の場合、ED(勃起障害)や性欲低下も起こることがあります。

男性ホルモンが低下してくると、内臓脂肪が増えやすくなります。内臓脂肪の蓄積は、いわゆるメタボリックシンドローム(メタボ)になりやすくなるうえ、高血圧や糖尿病、脂質異常症など生活習慣病、脳梗塞、心筋梗塞といった命に関わる病気のリスクを高めます。こうした男性更年期に様々な不調が起こる状態は、「男性更年期障害」や「LOH症候群」と呼ばれます。男性ホルモンは通常、40代以降に年齢とともにゆるやかに減少していきますが、LOH症候群が現れやすい年代は、東洋医学の考え方によると、だいたい56歳前後が目安になるでしょう。東洋医学の教科書とされている中国最古の医学書「黄帝内径(こうていだいけい)」には、女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢のときに節目を迎え、体が変化が現れると書かれているためです。一方で、年代に関わらず、大きなストレスや生活習慣の乱れが続くと、若くてもテストステロンが低下してしまい、男性更年期障害に悩まされることがあります。

女性の場合、更年期はいずれ終わりを迎え、症状も落ち着いていきますが、男性の場合は必ずしも明確な終わりがあるわけではありません。女性の場合もつらい症状を乗り越えるための対処、治療を積極的に取り入れたほうがよいですが、男性はより積極的にケアをしていくことが大切になります。男性更年期障害は、泌尿器科などで治療を受けることができます。治療法としては、男性ホルモンの補充療法などがありますが、女性の治療と同様、漢方薬もよく使用されます。今回は男性更年期障害の不調によく使われる漢方薬を紹介します。

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永田京子

永田京子

株式会社ウェルネスシアター代表、ちぇぶら更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ6万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。著書「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」、「はじめまして更年期♡(青春出版社)」。



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