【更年期以降の能力アップ】衰えていくだけじゃない?「中高年からも伸び続ける知能」とは?
結晶性知能は20歳以降も上昇し続ける
そもそも「知能」とは、心理学において「環境に適応し、問題解決をめざして思考を行うなどの知的機能」のことです。(*1)その知能には大きく分けて「流動性知能」と「結晶性知能」の2つあるとされています。(*2)
*1 デジタル大辞泉より
*2 Horn, J. L., & Cattell, R. B.(1967).Age differences in fluid andcrystallized intelligence. Acta Psychologica, 26, 107-129.
流動性知能とは、過去の経験などに関係なく、その場で瞬発力を持って問題解決をする力のことです。例えば買い物に行って、「これとこれとこれなら1000円以内で買える」といったように、すぐに計算できる力であったりとか、車を運転しているときに「青信号だ! でもあちらに人がいるから気をつけなければ」と認識して安全運転を行うように判断したりなど、認知や判断、操作が瞬発力を持ちながらできるような知能です。つまり、過去の経験にとらわれずに、新しい情報に対してすぐに処理、操作して問題解決ができる力のことを指します。
一方、結晶性知能とは、これまでの経験から問題解決をする力、いろんなことを応用する力です。例えば、人とのコミュニケーション力が代表的です。若いころにはコミュニケーションをとるのが苦手で、言葉足らずで誤解を招いてしまったりといったことがあったかもしれません。しかし、歳を重ねるうちになんとなく相手の気持ちが理解できるようになり、こうしてほしいのかなと想像力を働かせることができるようになることがあります。ほかにも、文学、芸術などにおける表現力も、経験を重ねるごとに高まっていくものでしょう。
流動性知能は10歳代後半から20歳代前半にピークを迎えた後は低下していくとされています。一方、結晶性知能は20歳以降も上昇し、高齢になっても安定していることがわかっています。(*2)
AUTHOR
永田京子
株式会社ウェルネスシアター代表、ちぇぶら更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ6万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。著書「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」、「はじめまして更年期♡(青春出版社)」。
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