無理して頑張ってしまう、生きづらい毎日を送る人に。アーユルヴェーダでストレスと感情に向き合う方法

 無理して頑張ってしまう、生きづらい毎日を送る人に。アーユルヴェーダでストレスと感情に向き合う方法
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永田舞美
永田舞美
2024-10-11

日々、忙しいスケジュールに追われ、自分の限界を超えてまで頑張ってしまう人は少なくありません。 特に、仕事と家庭の両立に一生懸命で、何でも自分一人で頑張ってしまいがちな人ほど、ストレスや感情のコントロールに悩まされた経験があるのではないでしょうか。 今回は、アーユルヴェーダの観点から、心身のバランスを整え、無理なく自分自身を大切にケアするための知恵をお話していきます。

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頑張りすぎる人に見られる”ヴァータ”

アーユルヴェーダでは、私たちの心身のバランスを「ドーシャ」という3つのエネルギーで構成していると考えます。 その中でも、頑張りすぎてしまう人の特徴として、”ヴァータ”が高まっていることがあります。ヴァータとは、風と空のエネルギーを持ち、私たちに ”動き”の力を与えている要素です。

ヴァータが高まっていると、日々の予定に追われ、むしろ予定がないことがストレスと感じるようになってしまっている人も少なくありません。過剰なストレスを受けているとヴァータが増悪していき、心身共に疲れやすくなります。その結果、慢性的にストレスを抱えやすくなり、心に不安や焦り、落ち着きのなさを引き起こすと言われています。

そんな経験はありませんか?

ヴァータの乱れを整えるセルフケア

ヴァータのバランスを整えるためには、日常生活に”安定感”と”規則的なリズム”を取り戻すことがポイントです。 

温かい食事とリズムのある生活

ヴァータの特徴に「冷たさ」と「不規則」があります。温かい食べ物や飲み物を摂ることが、ヴァータを整えるためには大切です。 特に根菜類やスープ、ハーブティーなどは身体を内側から温め、心も落ち着かせてくれます。冷たい飲み物を飲む頻度が高い人は、それを避けてみるだけでもバランスが整っていきます。
このとき、なるべく毎日同じ時間に食事をし、同じ時間に寝ることで、体内時計が整い、心へも安定感を与えてくれます。 

アビヤンガ(オイルマッサージ)

温かいセサミオイルを使ったセルフマッサージを「アビヤンガ」と言います。アビヤンガを習慣化することで、睡眠の質を良くし、翌日のエネルギーを回復させるサポートをしてくれます。温めたセサミオイルを手に取ったら「頭・耳・足裏」の3点をマッサージし、そのままお風呂へ入り、じんわりと浸透していくのを待ちながら過ごすことがおすすめです。セサミオイルは身体を温める効果もあり、オイルの重たい性質からも、心身へ安定感をもたらしてくれます。 

瞑想と呼吸法

深い呼吸を意識することで、心を落ち着かせ、感情の揺れを整えてくれると言われています。1日5〜10分でもよいので、深い呼吸を繰り返し、自分の内側に意識を向けるような時間を作ることを、習慣としてみてください。 

焦りと苛立ちを引き起こす”ピッタ”

頑張りすぎてしまう人のもう一つの特徴として、ピッタが高まっている場合が多いです。ピッタとは、火と水のエネルギーで、”消化や変換” の力を与えています。 ピッタが高まると、完璧主義になりやすかったり、責任感が強まりすぎてしまい、頑張ることが当たり前と思ってしまうようになります。さらに、自分にも他人にも厳しくなりがちで、いつの間にか「もっと頑張らなければ」と思う自分いたり、思い通りにいかないことに対して、イライラや焦りを感じるようになります。

ピッタのバランスを整えるセルフケア

ピッタは主に火の要素のため、クールダウンさせ、心に柔らかさを取り戻すことがポイントです。

身体に熱を溜め込まない食事

口にするものは、身体だけでなく心にも作用します。ストレス発散に辛いものを食べる人もいるかと思いますが、実は辛いものや酸っぱいもの、塩っぱいものは、ピッタを高めてしまいます。カフェインやアルコールもピッタを高めるため、ほどほどにすることが大切です。

自然の中でリラックスする時間を作る

自然の中で過ごす時間は、心を和ませ、平穏をもたらします。 特に森林浴など緑の多い場所は、ピッタをクールダウンさせてくれます。頑張りすぎてしまう人は、頭を働かせていることが多く、パソコンのファンが常に回っているのと同じような状態となり、脳疲労を起こしていることもあります。 自然の中での時間は、身体も心も、頭の中までもリラックスさせ、バランスを整えてくれますよ。

休むことも大事なセルフケア

頑張りすぎてしまう人にとって、自分の感情や疲れを無視してしまいがちなことがあります。そんな中、アーユルヴェーダは「自分に優しくすること」を教えてくれています。身体や心に寄り添い、無理をしすぎないことが、長期的な健康と幸せにつながっていくのです。

頑張りすぎてしまう人は、休むことに罪悪感を感じることも多いですが、休息も重要なセルフケアの一つです。身体と心のバランスを取り戻し、自分を大切にしながら過ごしていくために、ぜひアーユルヴェーダの知恵を取り入れてみてください。

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永田舞美

永田舞美

ヨガ・アーユルヴェーダ講師 金融営業職に没頭する中で、ヨガとアーユルヴェーダに出会う。10代から悩みが絶えず、自律神経の不調だらけの自分が好きになれずにいた時期が長かった。自分の本質を知り、身体と心の心地よさに 意識を向けて日々生活するようになってから、本来の自分でイキイキと過ごせていることを実感。 この経験から、現代の生活に生きるヨガとアーユルヴェーダを伝え、「本来の自分を取り戻し、心地よく過ごす」ことをテーマに2021年10月に独立。1年間で約200名にアーユルヴェーダを指導。ヨガフェスタ2021への出演や、ヨガモデルとしての実績もある。 ヨガ&アーユルヴェーダ朝活コミュニティの運営、アーユルヴェーダ講座、ライフスタイルカウンセリングの他、全国各地でリトリートイベントを企画主催。



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