肌は心の状態を映し出している|臨床心理士が教える〈肌荒れとメンタルヘルス〉対策としてできることは

 肌は心の状態を映し出している|臨床心理士が教える〈肌荒れとメンタルヘルス〉対策としてできることは
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石上友梨
石上友梨
2024-09-18

肌荒れに悩んでいませんか?肌荒れの原因は様々ありますが、肌とメンタルヘルスは密接に関係しており、ストレスや不安など心の状態は、肌の健康に大きな影響を及ぼします。今回は肌とメンタルヘルスの関係やその対策について紹介します。

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なぜ肌荒れとメンタルヘルスが関係しているの?

ストレスがかかると、体内でコルチゾールというホルモンが増加します。コルチゾールは皮脂の分泌を促進し、それが原因でニキビや吹き出物ができやすくなります。また、慢性的なストレスは肌のバリア機能を低下させ肌荒れの原因となります。また、不安や落ち込みが強い時は、セルフケアの意欲が低下し、スキンケアや食生活が疎かになりがちです。その結果、肌のターンオーバーが乱れ、肌荒れやくすみ、乾燥が悪化する可能性があります。そして、睡眠の質と肌の健康も関係します。不眠症状がある場合は、睡眠不足によってくまやくすみ、肌荒れの原因となります。

肌荒れを防ぐためにメンタルヘルス管理を

肌荒れを防ぐためにメンタルヘルスを維持・向上していきましょう。

1. ストレス解消する

瞑想やヨガなど、気持ちがリフレッシュする趣味や活動を取り入れることで、ストレスを軽減し、肌の健康を保つことができます。

2. セルフケアを続ける

メンタルが低下しているときこそ、規則正しい生活や健康的な食事、適度な運動など、基本的なセルフケアを意識することが重要です。

3. 丁寧なスキンケア

フェイスパックをしたり、香りや質感の良いクリームを使ったり、丁寧にスキンケアをしてみましょう。丁寧にスキンケアをすることは、自分に優しく、自分を大切にすることに繋がり、セルフ・コンパッション(自分への思いやり)が高まります。セルフ・コンパッションが高まることで、気持ちが安定するなどメンタルヘルスにポジティブな変化が生じます。

4. 質の良い睡眠

睡眠は肌の修復や脳疲労軽減など肌にもメンタルヘルスにも良い効果があります。睡眠不足はくすみや肌荒れの原因となるため、ストレスが溜まっている時ほど、7〜8時間と長めの睡眠を心がけましょう。

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ストレスに気づけない場合の対処法

ストレス等が肌荒れに影響する前にストレスが溜まっていることに気づくのが大切です。身体的、感情的、行動的、認知的なサインを観察しましょう。人によって出やすいサインが異なるので、自分の気づきやすいサインを見つけていきましょう。

1. 身体的なサイン

頭痛や肩こり、頭痛や頭重感、胃の不快感や胃痛、疲労感やエネルギー不足、集中力の低下など。特に十分な睡眠を取っていても、いつも疲れを感じる場合はストレスが原因かもしれません。寝つきの悪さや夜中に何度も目が覚めるなどの不眠症状、過剰な眠気、心臓がドキドキしたり、息がしづらくなることもストレスのサインです。

2. 感情的なサイン

普段は気にならないことでもイライラする、怒りっぽくなることが増えた場合や、理由もなく不安を感じたり、常に緊張感が続いている感じ。気持ちが落ち込んで、やる気が出ない、何をしても楽しく感じない場合もストレスのサインです。

3. 行動の変化

ストレスによって食欲が急激に増えたり、逆に食欲がなくなることがあります。また、飲酒や喫煙の増加など、普段の嗜癖行動が増えます。趣味や活動への興味が減退し、以前楽しんでいた活動や趣味に興味を失うことがあります。また、ストレスが溜まると、家族や友人との交流を避けたくなることがあります。普段よりも話すのが億劫になる場合もストレスの兆候です。

4. 認知的なサイン

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ストレスがかかると、判断力が鈍ったり、思考がまとまらなくなることがあります。また、ネガティブな考えが増えていきます。 「どうせ無理だ」「うまくいかない」「やっぱり自分はダメだ」等という否定的な考えが浮かびやすくなったり、過去の失敗をぐるぐると後悔したり、ネガティブな考えが頭から離れない場合も、ストレスが影響している可能性があります。

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石上友梨

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。



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