管理栄養士が教える【夏こそ味噌汁を飲むべき理由】おすすめの具材の組み合わせも紹介
夏も終わりに近づきつつある今日この頃ですが、ちょっとした不調が気になってはいないでしょうか。実は夏の健康管理に味噌汁がとてもおすすめです。管理栄養士がその理由とおすすめの具材を紹介します。
夏こそ味噌汁を飲むべき理由①夏の「冷え」対策に
外は酷暑なのに、オフィスや立ち寄ったカフェで寒いと感じることはありませんか。業務用のエアコンが過剰な馬力で稼働している、設定する人の体感との差によることなど外部的な要因は考えられます。ですが、内部的な要因もあります。女性や筋肉量が少ないことにより、体内で熱を産生する力が弱く、冷えを感じやすいというものです。製薬会社が実施したある調査で「夏にからだが冷えていると感じる」方は男性で9%、女性で34%という報告もあります。温かい味噌汁でたんぱく質を補うことで、冷え性対策につながります。
理由②夏は◯◯や◯◯になりやすいから
意外かもしれませんが、夏は便秘・下痢になりやすい要素が揃っていることをご存知でしょうか。
冷え
エアコンなどによる体の冷えより交感神経が優位になりやすくなります。交感神経が優位になると腸の血流や動きが鈍くなり、便秘は起こりやすいとされています。逆に腸のぜん動運動が活発になりすぎて、下痢に悩まされる方もいます。
水分不足
大量の汗をかくため、体内で水分不足が起こりやすくなります。それにより便の水分が不足し、硬くなり便秘になることがあります。
食欲不振
暑さにより食欲が低下することで、便のかさが減ってしまうことで、便秘になることがあります。
便秘、下痢どちらにしても胃や腸に負担がかかり、辛い症状です。温かく、発酵食品を含む味噌汁は腸活の強い味方になるメニューなのです。
理由③秋バテ予防にも効果的
夏の終わりから秋にかけて。夏バテのような食欲不振やだるさ、朝起きられないなどの「秋バテ」という症状をご存知でしょうか。医学的な定義はありませんが、秋バテを感じる方は少なくないようです。リンナイ社が1,000人を対象にした調査によるとおよそ7割の方が、秋口に不調を感じたことがあると回答しています。
秋バテは食事バランスを整えることが対策のひとつです。味噌汁は汁物なのでさらっと食べやすく、ビタミン・ミネラル、たんぱく質を補うこともできる栄養バランスを整えることができます。
おすすめの具材の組み合わせ
味噌汁といっても具材によって、摂取できる栄養や期待できる効果は様々です。ここでは夏から秋にかけて起こる不調にアプローチしやすい組み合わせをご紹介します。
冷えが気になる方は「豆乳シチュー風味噌汁」
具材:鶏肉、かぼちゃ、玉ねぎ、豆乳
鶏肉と豆乳でたんぱく質を補うことで食事での熱産生(DIT)を促し、筋肉量低下を防ぎます。かぼちゃに含まれるビタミンB6はたんぱく質の吸収を助ける役割もあります。より効果を期待したい方は、チューブ生姜を加えるといいですね。
便秘が気になる方は「腸活味噌汁」
具材:豆腐、オクラ、玉ねぎ
オクラに含まれる水溶性食物繊維、玉ねぎと豆腐に含まれるオリゴ糖は、腸内の有用な菌のエサになります。有用な菌が増えることで、腸の状態が安定しやすくなります。オクラをなめこ、納豆に変更しても同様の効果が期待できます。
秋バテが心配な方は「食欲と体力アップ味噌汁」
具材:サバの水煮、ねぎ、みょうが
食欲低下で不足しがちなたんぱく質、良質な油、ビタミン類を補う味方になる食材がサバなどの青魚。手軽に取れる缶詰はとてもおすすめ。疲労回復に効果的な硫化アリルを含むねぎ、食欲を誘うみょうがを合わせると、秋バテ予防に最強味噌汁になります。
まとめ
温かい味噌汁は、夏でこそメリットが多いといえます。今の体調に合わせて、自分に合った具材を選んで、栄養バランスを整えてみてくださいね。
参考資料:
AUTHOR
瑞樹
⼤学を卒業後、⼤⽇本印刷グループ⼊社。社員⾷堂運営、従業員の健康管理事業、特定保健指導。その後、レシピアプリを提供するIT系ベンチャー企業に⼊社し、栄養⾷事指導、記事執筆サービス企画など。現在は管理栄養士・琉球料理伝承人として、食・栄養に関する執筆やメディア出演、伝統料理の伝承・普及活動を行う。
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