「ピーマン、赤・オレンジ・黄色のパプリカ」どれが一番栄養価が高い?調理のポイントは?栄養士が回答
夏野菜の代表であるピーマンとパプリカ。見た目は似ていますが、味や栄養面でどのような違いがあるのでしょうか?詳しくみていきましょう。
ピーマンとパプリカの違いとは?
ピーマンとパプリカは、同じナス科トウガラシ属の植物ですが、異なる品種です。
<ピーマン>
ピーマンは中型で緑色の細長い形状をしています。
特有の青臭さと苦味が特徴ですが、最近では品種改良によって、青臭さや苦味が軽減されたものも多く出回るようになりました。青椒肉絲やピーマンの肉詰めなど、炒め物や焼き物で食べるのが一般的ですが、苦味が少ないものはサラダなどの生食で食べることもできます。
またカラーピーマンという品種もありますよね。これはピーマンが成熟したもので、パプリカではなくピーマンの仲間です。一般的な緑色のピーマンは成熟前に収穫しますが、その時期で収穫せず熟させると、黄色やオレンジ、赤色へと変化していきます。
<パプリカ>
パプリカはピーマンより大型で、赤、黄色、オレンジなど鮮やかな色が特徴です。ピーマンよりも肉厚でジューシー。苦味は少なく、甘みが強いのが魅力の野菜です。サラダなどの生食はもちろん、煮込み料理にしたり、焼いて皮を剥いてマリネにして食べてもおいしい野菜です。
ピーマンとパプリカの栄養面での違いとは?
ピーマンとパプリカの栄養面ではどのような違いがあるのでしょうか?両者とも、ビタミンAやビタミンC、ビタミンE、カリウムなど、栄養豊富な緑黄色野菜です。
ただ赤パプリカはピーマンと比較して、ビタミンAは約3倍、ビタミンCが約2倍、ビタミンEは約5倍。紫外線が強くシミやシワができやすい夏場に積極的に摂りたい、抗酸化作用のあるビタミンACE(エース)はパプリカの方が多く含まれています。
またパプリカの色によっても栄養価に違いがあることをご存知ですか?赤パプリカは黄パプリカと比べて、ビタミンAは約5倍、ビタミンEは約2倍の差が。「赤パプリカ>オレンジパプリカ>黄パプリカ」の順で栄養価が高いので、選ぶ時の参考にしてくださいね。
またピーマンとパプリカはどちらも生食でも加熱でも食べられる為、代替して料理することはできますが注意が必要です。青椒肉絲やピーマンの肉詰めをパプリカでも作れますが、パプリカの方が甘味が強く肉厚の為、料理全体の甘味が強くなったり、ピーマンで作るよりもパプリカの存在感が強くなりがちです。パプリカで作る際は甘味を減らした調味料の配合にしたり、小さめに切るなどの工夫をするとバランスが取れやすいですよ。
<参考>
『新・野菜の便利帳』板木利隆監修(高橋書店)
日本食品標準成分表(八訂)
AUTHOR
和田 梓
管理栄養士。これまでヘルスケアIT企業にて、ダイエット・糖尿病・IBD・CKDなど、幅広い悩みに向けたレシピ開発を100件以上行う。その他、記事執筆、WEBページの企画・編集、保健指導などに従事。ハーブやスパイスを使った創作家庭料理が得意。
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