骨を強くしたい40代、50代は必見!「小松菜」の最強の食べ方|管理栄養士が解説
小松菜はスーパーでもよく見かける身近な野菜です。その小松菜が、40代、50代で徐々にリスクが高まる骨粗鬆症の予防に役立つことを知っていますか?この記事では、骨を丈夫にする小松菜の「最強の食べ方」を管理栄養士が解説します。おすすめの料理も紹介するので、骨の健康が気になる40代、50代の方は食卓に取り入れてみてくださいね。
小松菜で骨粗鬆症を予防!
身近な葉物野菜である小松菜。旬は12〜2月の冬場ですが、比較的手頃な価格で年中スーパーの店頭に並んでいる、購入しやすい野菜です。
小松菜で注目すべき栄養は、カルシウムです。小松菜に含まれるカルシウムの量は、野菜のなかでも群を抜いています。カルシウムは骨や歯のもとになるミネラルであり、丈夫な体を作るためには欠かせない存在です。
カルシウムと関係が深い疾患といえば、骨粗鬆症が挙げられます。骨粗鬆症とは、骨がもろくなり骨折しやすくなった状態のことです。
女性は骨粗鬆症のリスクが高い傾向があります。その理由は、閉経により骨にカルシウムをとどめる女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が減少し、骨からカルシウムが失われやすくなるためです。
男性も骨粗鬆症への対策が必要です。骨に含まれるミネラルの量は骨量で示され、成長期に増加して20歳前後で最大になります。その後、男性の骨量は徐々に減少するため、骨粗鬆症の発症確率は加齢とともに高まるでしょう。
高齢期における骨折は、自立した生活を妨げます。骨折する部位によっては寝たきりになり、介護が必要になることも。平均寿命が年々延びている現代において、健康に長生きするためには丈夫な骨づくりを意識することが大切です。40代、50代でも遅くありません。カルシウムを積極的に摂取して、骨粗鬆症を防ぎましょう。
小松菜のカルシウムを効率よく吸収する方法
カルシウムは、食品からの吸収率があまり高くありません。カルシウムが豊富な食材として知られる牛乳は40%、小魚は33%と比較的高いものの、野菜は19%ほどにとどまります。
野菜からのカルシウムの吸収率が低いのは、シュウ酸により吸収が阻害されることが理由です。シュウ酸とは野菜のえぐみやアクのもとになる成分。ほうれん草やタケノコはシュウ酸が多く含まれるため、ゆでてアク抜きする必要があります。
しかし、小松菜はシュウ酸があまり多くありません。新鮮な小松菜は生でも食べられます。そのため小松菜は、ほかの野菜よりもカルシウムの吸収率が高いとされています。
小松菜に含まれるカルシウムの吸収率をさらに高めるには、ビタミンDを一緒に摂取しましょう。ビタミンDにはカルシウムの吸収を促す作用があります。ビタミンDはイワシやサケ、しらすなどの魚類、まいたけやきくらげなどのきのこ類に豊富です。
ビタミンDは油と相性がよい脂溶性ビタミンのひとつなので、料理に油を使うとビタミンD自体の吸収率も高まります。
ちなみにビタミンKという栄養素には、吸収されたカルシウムを骨に定着させる働きがあります。実は、小松菜はビタミンKが豊富な野菜のひとつ。カルシウムとビタミンKを一緒に摂取できることも、小松菜のメリットといえますね。
骨を丈夫にする小松菜の「最強の食べ方」とは
小松菜のカルシウムを効率よく摂取するなら、ビタミンDを含む食材と一緒に油で調理しましょう!
具体的な料理例は次のとおりです。
・小松菜とまいたけの炒め物
・小松菜と鮭のチャーハン
・小松菜といわしのパスタ
・小松菜としらすの自家製ふりかけ
小松菜と魚を使った料理は、ハードルが高く感じるかもしれません。しかし上記のチャーハンであれば、鮭フレークを使うと簡単に作れます。いわしの缶詰を使うと、パスタも楽に作れますよ。
小松菜としらすは相性がよい組み合わせです。細かく切った小松菜としらすを炒め合わせて味付けすれば、ふりかけのような常備菜になります。
小松菜はアイデア次第でさまざまな食べ方ができます。40代、50代の方は献立へ積極的に取り入れて、骨粗鬆症予防に役立てましょう。
【参考文献】
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
厚生労働省 e-ヘルスネット「骨密度」
厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症」
厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」
一般社団法人日本乳業協会 乳と乳製品のQ&A「カルシウムの吸収を高めるためにはどうしたらよいでしょうか?」
白鳥早奈英. 坂木利隆. もっとからだにおいしい野菜の便利帳.高橋書店.2011.
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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