骨粗しょう症を予防!骨を強くする小松菜ときくらげの味噌汁【管理栄養士のレシピ】
素朴な香りと味わいで私たちを癒してくれる味噌汁は、日本人の食卓に欠かせない一品です。どんな具材とも相性がよく、おいしく食べられるところも味噌汁の魅力のひとつですね。味噌汁は食材との組み合わせ次第で、さまざまな健康効果が期待できる料理に変わります。今回は骨を丈夫にする味噌汁の具材を紹介するので、骨の強さが気になる人、骨粗しょう症を予防したい人は参考にしてください。
骨の強化におすすめの具材は【小松菜ときくらげ】
小松菜ときくらげの健康効果
成長にしたがって形成される骨は、20歳をピークに、加齢とともに減少して弱くなっていきます。骨が弱くなり骨折しやすくなった状態が、骨粗しょう症です。特に高齢者が骨折すると、長期間安静にする必要があるため、そのまま寝たきりになってしまうおそれがあります。骨の強化は高齢になってからでは遅く、若いときから意識的に丈夫な骨を作っておかなければなりません。
骨の強化におすすめの味噌汁の具材は、小松菜ときくらげです。骨を丈夫にする栄養素としてよく知られているのは、カルシウムでしょう。カルシウムは牛乳などの乳製品に豊富なイメージがありますが、小松菜といった一部の野菜にも多く含まれています。
カルシウムは、骨を構成する重要なミネラルです。カルシウムをもとに新しい骨が作られる一方で、古くなった骨は壊され、カルシウムが骨から溶け出ていきます。このように、骨は常に作り変えられています。カルシウムが不足すると、古い骨が壊されるだけで新しい骨が作られないため、骨が弱くなってしまうのです。
このカルシウムの働きをサポートしているのが、ビタミンDとビタミンKです。ビタミンDは腸でのカルシウムの吸収を促進し、カルシウムが骨に沈着するのを助ける働きがあります。ビタミンKも、カルシウムが骨へ沈着するのを促します。カルシウムを十分に摂取していても、ビタミンDやビタミンKが不足していると、カルシウムの吸収・利用効率は悪くなってしまうのです。
ビタミンDはきくらげなどのきのこに、ビタミンKは小松菜などの葉物野菜に豊富に含まれます。カルシウムを含む食品だけではなく、ビタミンDやビタミンKが豊富な食品も積極的に摂取しましょう。
味噌のイソフラボンで骨を丈夫に
歳を重ねると骨の強度は低下してしまいますが、特にこの傾向が強く見られるのは女性です。女性ホルモンには、骨を壊す働きを抑える作用があります。しかし閉経にともない女性ホルモンの分泌が低下すると、骨の形成よりも骨の破壊が進んでカルシウムが失われてしまうため、骨が弱くなるのです。
そこで、味噌に含まれるイソフラボンに注目してください。イソフラボンは大豆に豊富なポリフェノールの一種であり、女性ホルモンによく似た働きをする成分です。女性ホルモンの代わりに骨を壊す働きを抑えるため、イソフラボンは骨の強度維持に役立ちます。味噌汁からイソフラボンを摂取して、骨粗しょう症を予防しましょう。
小松菜ときくらげの味噌汁の作り方
【材料】2人分
小松菜:1株
生きくらげ:40g(または乾燥きくらげ:5g)
だし汁:350ml
味噌:大さじ1と1/2
【作り方】
1.小松菜を3cm幅に切る。
2.生きくらげは1.5cm幅程度の食べやすい大きさに切る。乾燥きくらげの場合は水に6時間程度浸して戻し、食べやすい大きさに切る。
3.鍋にだし汁を入れて、火にかけて沸かす。
4.1と2を入れ、1〜2分ほど煮て火を通す。
5.鍋の火を止め、味噌を溶き入れる。
食材を切ってだし汁に加えるだけで、簡単に作れる味噌汁です。小松菜と、きくらげの食感の違いを楽しんでください。
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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