情報の中から健康を選ぼう。あたりまえでない健康と、SLEをみんなごとにするヒント
SLEを「みんなごと」にするヒント
SLEだから、病気だからといって諦めないで。好きなことをしよう ―宮井典子さん
SLEは発症する年齢も幅広く、症状もひとりひとり異なるため、個人の経験談やアドバイスが通用しない部分もあります。
ネットの情報に頼りすぎず、疑問に思ったことは医師に相談することが必要です。病気にかかった当事者は、比較的、自分と同じまたは近い年齢の人の情報を求めると言われていますから、私の発信も情報のひとつとして捉えてもらえたらと思います。
どんな年齢のSLEの皆さんにも通じるメッセージを伝えるならば「病気を理由に諦めないで、好きなことをしよう。」それにつきると思います。
SLEは、目に見える症状から見た目では分からない症状まで全身に及び、治療は長期にわたります。そのため諦めざるをえないことも増えていきますが、病気になったからといって全てを諦めなければならない・・・そんなことはありません。
SLEを始め、難病と言われる疾患には、現在「完治」というゴールがありません。ですから長い目で付き合おうと前を向いて歩いているところです。
それでもどうしても辛い時は、強がらず周囲の人に頼るようにしています。そして、日常生活の中で心を保つために工夫していることは「自分をたくさん甘やかすこと」です。素敵なスイーツを食べようとか、お昼寝をしようとか。 大人だから、お母さんだからといって頑張りすぎなくていいのではないでしょうか。
私は小学生の子どもがいますが、体力がなく疲れた時は「今日は早く寝るね」とそんな宣言を家族にもしているくらいです。
SLEをみんなごとに。ヨガジャーナルオンライン渋谷さんとお話を聞き、SLEに限ってではなく他の病気であっても、身近な方の状態を見てどう思うか。どう生きるかを、一緒に考えたいなと思いました。
病気やSLEは、遠い話じゃない。情報があれば、その時の自分に合う選択ができるはず ―ヨガジャーナルオンライン編集部 渋谷敦子
自分の健康だけを良くすればいいという考えではなく、社会に生きる一員として、隣人にも目を向けることが「社会的な健康」にもつながっていくのではないかと考えています。
今の私の考え方は、自分さえ良ければいいのではなくて、隣の人への愛と理解を含めた「社会的な健康」です。SLEってどういう病気で、どういう日常を送っているのか。知る手がかりが貴重だと感じているので、ヨガジャーナルオンラインとして発信し続けたいと思います。
SLEをみんなごとに。見た目には理解されにくい病気や隣人の状況へ想像力を働かせるために、何か自分ができることはないかと考える情報の手立てになっていきたいと思います。
AUTHOR
腰塚安菜
慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代から一般社団法人 ソーシャルプロダクツ普及推進協会で「ソーシャルプロダクツ・アワード」審査員を6年間務めた。 2016年よりSDGs、ESD、教育、文化多様性などをテーマにメディアに寄稿。2018年に気候変動に関する国際会議COP24を現地取材。 2021年以降はアフターコロナの健康や働き方、生活をテーマとした執筆に転向。次の海外取材復活を夢に、地域文化や韓国語・フランス語を学習中。コロナ後から少しずつ始めたヨガ歴は約3年。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く