便秘解消から脂肪燃焼効果まで!食卓の頼もしい味方「わかめ」の健康効果を引き出す食べ方とは?
わかめはミネラルたっぷりのイメージですが、主な成分は、カルシウム、ビタミンK、鉄分、マグネシウム、食物繊維などがバランスよく含まれている低カロリーの優秀な食品です。また、豊富な食物繊維により、腸内環境の改善が期待できます。
わかめで腸内環境が改善し便秘症状が緩和!
週の排便日数が3~5日の便秘気味の女性21名(平均年齢40歳)に、毎日、「乾燥カットわかめ」4gを水戻ししたものを好きな調理法で2週間にわたり摂取してもらったところ、排便数や回数、日数の著しい改善が認められました。また、腸内細菌の中でビフィズス菌が占める割合も増加することがわかりました。わかめを摂取することで腸内環境が改善し、便秘症状の緩和が期待できます。
わかめで食後の血糖値の上昇を緩やかに!
健康な成人男女26名(平均年齢51歳)に「乾燥カットわかめ」4gを水戻ししたものを摂取した後、白米(200g)を食べてもらい食後の血糖値や血中のインスリン値を測定したところ、わかめを摂取していたときの方が、食後の血糖値やインスリンの上昇が抑制されることがわかりました。食後の急激な血糖値の上昇は動脈硬化を招き、糖尿病の進行にもつながるため、上手にコントロールすることが大切です。
大さじ一杯の食酢をあわせることでさらに効果アップ
さらに、健常女性に白米と一緒にわかめ を食酢約15ml(酢酸750mg)で和えたもの、または、わかめをダシ醤油で和えたものを食べてもらったところ、食酢で和えたものをとった方が、ダシ醤油で和えたものを食べたときより、食後45分までの血糖値が低く抑えられていました。
出典:日本臨床栄養学会雑誌 (2006)27, 321-325
わかめで高めの血圧を低下!
大学病院に通う高血症圧患者37名(平均年齢71歳)を2群にわけ、18名は対照群とし、19名は「わかめ粉末」平均3.3g を含むカプセルを毎日摂取してもらったところ、わかめ摂取群では4週間後と8週間後に顕著な血圧の低下が認められました。これら機能性に関与する成分として、アルギン酸を主とする食物繊維やその他の成分が考えられます。
わかめで食後の中性脂肪を抑制!
健康な成人女性9名(平均年齢55歳)に「乾燥カットわかめ」4gを水戻ししたものを摂取してもらった後、脂質が40.6g含まれる食事を食べてもらい、血中の中性脂肪やレムナント様リポタンパク質‐コレステロールを測定したところ、わかめを摂取していない時の方が中性脂肪やレムナント様リポタンパク質‐コレステロールの上昇が抑えられることがわかりました。
※レムナント様リポタンパク質‐コレステロール値は、冠動脈疾患や、糖尿病、腎疾患などの動脈硬化性疾患を合併しやすい疾患で高値を示す、新たな脂質代謝異常マーカーです。
魚とあわせることで脂肪燃焼効果も!
さらに、ラットに4週間、わかめもしくは魚油、もしくはその両方を混合した餌を与えたところ、わかめと魚油の両方を含む餌を与えたラットの血液中や肝臓中の中性脂肪は最も低い値を示し、脂肪の燃焼に必要なカルニチンは最も高い値を示しました。これにより、わかめと魚を合わせて摂ることで、中性脂肪の低下や脂肪燃焼の効果を得られることがわかりました。
出典:J Nutr (2002)132, 742-747
教えてくれたのは…森 真理(もり まり)博士(学術)
東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座非常勤講師。京都工芸繊維大学研究員、京都大学大学院医学研究科健康情報学非常勤研究員、滋賀医科大学客員准教授・NPO法人世界健康フロンティア研究会代表理事。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
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