機能性表示食品って何?トクホとの違いは?機能性表示食品の特徴や取り入れる際の注意点|栄養士解説
近年では、スーパーなどでさまざまな機能性表示食品を見かけるようになりました。一度は購入したことがあるという方も多いでしょう。機能性表示食品は体にとってうれしい機能が表示されているものですが、効果を保証するものではないため取り入れる際には注意が必要です。今回の記事で、機能性表示食品はどういうものなのか知っておきましょう。
機能性表示食品とは?
機能性表示食品とは、食品中の機能性に関わる成分を摂ることで、健康の維持・増進に役立つ効果が期待できることを、科学的根拠を基づき商品パッケージに表示した食品です。この食品は、病気を発症していない方を対象としたものです[1]。
実際に商品に表示されている機能性は、以下のようなものがあります。
・血圧高めの方に適した機能を持つ
・骨の成分の維持に役立つ機能がある
機能性表示食品は国の審査がなく、一定の条件を満して国に届出をすれば表示できるものです。そのため、機能性は企業の責任において、科学的根拠をもとに適切な表示をする必要があります[1]。
トクホと何が違うの?
機能性表示食品はトクホと比べられることがあります。皆さんは機能性表示食品とトクホの違いを理解していますか?機能性表示食品とトクホの主な違いは、以下のとおりです。
機能性表示食品 | トクホ(特定保健用食品) | |
国の審査 | なし | あり |
マーク | なし | あり |
機能性・安全性の評価 |
製品を用いた臨床試験 製品又は機能性関与成分に関する研究 |
製品によるヒトでの臨床試験 |
届出内容の開示 | 必要 | 不要 |
機能性の表示 |
〜の機能があります。 〜の機能があると報告されています。 |
お腹の調子を整える。 骨の健康に役立つ。 コレステロールを低下させる。 など |
この2つの大きな違いは、食品の機能性について国の審査や許可があるかどうかです。トクホは特定保健用食品といい、国が審査を行い認められた場合に食品の機能表示ができる食品です。一方で、機能性表示食品は国の審査がなくても一定の基準を満たし届出を行えば、機能の表示ができます。多くの企業が参入しやすいため、近年では商品数が増えてきていると考えられます。しかし、表示されている機能性は国が認めているものではなく、あくまでも企業の責任のもとであるのです[1]。
結局、選ぶならどっちが良いの?と思う方もいらっしゃるでしょう。選ぶなら商品ごとに国で検証されているトクホの方が、おすすめといえます。しかし、機能性表示食品やトクホはいずれも医薬品ではないため、病気の改善や予防の効果は期待するのが難しいとされます。各商品は表示されている機能性が強調されがちですが、「食べると効果があるんだ」と勘違いしないことが大切です[1]。
医薬品とは区別して賢く利用しよう
機能性表示食品は、食品に含まれている成分の機能性を私たちにわかりやすく表示している食品です。ただし、トクホとは違って成分の機能は国が認めたものではありません。医薬品との違いを理解し、誤った認識をしないように気をつけましょう。また、機能性表示食品を取り入れる場合は、ご自身の食生活を見直しと改善を行った上で目安量などを確認して利用してくださいね[1]。
参考文献(2024年4月15日閲覧):
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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