【寝る前に睡眠サプリを飲んでいる人に警告!?】「メラトニン」の摂取量を見直すべき理由とは?

 【寝る前に睡眠サプリを飲んでいる人に警告!?】「メラトニン」の摂取量を見直すべき理由とは?

グミタイプのサプリメントや薬を一旦置いて、寝る前にこの記事を読んでみて下さい。

広告

良い睡眠をとるのは難しいもので、多くの人が現在、夜、本当に安らかで回復力のある睡眠をとることに苦労しているようです。幸いなことに(あるいはそうでもないのかもしれませんが)、睡眠サプリメントが数多く販売されており、簡単に眠りにつくことができるようになっています。しかし、本当にサプリメントを飲まないと熟睡できないのでしょうか?サプリメントは本当に効果があるのでしょうか?

グミタイプのサプリメントや錠剤、粉末、パッチタイプなど、一見簡単に手に入るように見える睡眠サプリメントですが、ここでは、この流行のサプリメントの摂取について知っておくべきことと、それがあなたの夜の休息にどのような影響を及ぼすかについて説明します。

睡眠サプリメントを飲む機会が増えている

睡眠サプリメントに手を伸ばす回数が増えたとしたら、あなただけではありません。米国国立衛生研究所によると、これらの製品はますます普及しており、メラトニンの使用だけでも2000年の0.4%から2018年には2.1%に急増しています。そして2005年からは、個人が毎日5mg以上の「高用量」サプリメントを摂取していると報告され始めています。

この数年、睡眠スケジュールが揺らいだため、私たちの多くがメラトニンや栄養補助食品のような自然な睡眠療法に目を向けているのです。新型コロナウィルスの大流行による心理的苦痛が、不安やストレスなどの増加により、多くの人が夜眠れないという睡眠障害を引き起こしたという研究結果が出ています。

そして、睡眠サプリメントが便利な解決策を提供しています。さらに、睡眠サプリメントが魅力的な最大の理由のひとつは、「自然な」睡眠補助剤として販売される傾向があることです。処方された睡眠導入剤や市販の薬を服用するのが嫌で眠れないとき、こうした「自然な」代用品は、より安全で優れた選択肢のように聞こえます。

睡眠サプリメントは効果的だが、その効果は微妙かもしれない

メラトニンのようなサプリメントを飲んで、夜中に目が覚めたことがある人は、こうしたサプリメントが本当に効くのか疑問に思ったことがあるはずです。睡眠サプリメントの本当の効果は、かなり差があります。

また、サプリメントは個人によって効果が異なることがあります。また、意外なことに、最も人気のある睡眠サプリメントの中には、よく眠れるようになったように見えても、その効果は睡眠の質や時間に実際に変化があったというよりも、プラセボ効果に過ぎないというものもあります。

たとえば、メラトニンを見てみましょう。メイヨークリニックのドナルド・D・ヘンズラッド医学博士は、「メラトニンは睡眠時間をそれほど長くはしません。ある研究では、メラトニンを摂取した場合、あなたが得られる睡眠が約15〜20分長くなるくらいです。だから、全体として、その効果は見かけほど大きくありません」。

さらに、エリン・パリンスキー−ウェイドさん(栄養士、認定糖尿病ケアおよび教育スペシャリスト、管理栄養士、認定パーソナルトレーナー)が指摘するように、睡眠サプリメントを摂取することは一時的に役立つかもしれませんが、夜中に眠れなくなるようなことがあっても、それをカバーする以上の効果はありません。「メラトニンやマグネシウムのような天然の睡眠補助食品は、副作用が少なく効果的であるという研究結果もあります。しかし、どのような睡眠補助食品が効果的であるかを理解するためには、睡眠の問題の根本的な原因を解決する必要があります」と彼女は言います。

また、ヘンズラッド医学博士は、特にメラトニンに関する研究では、日常的に睡眠に悩む人々への有効性を指摘するものはあまりないと指摘しています。「睡眠に関するデータよりも、概日リズムの変化に関するデータの方が多いのです」と彼は述べいます。

睡眠サプリはあくまで短期的な利用が前提である

サプリメントが睡眠を助けるとしても、長期的に頼ることは避けたいものです。メラトニンを過剰に摂取すると、自然な概日リズムが乱れ、睡眠が浅くなる可能性があります。ジョンズ・ホプキンス大学医学部では、1~2週間ほど使用したら、サプリメントを中止して、自分の自然な眠りを見直すことを勧めています。

さらに、睡眠サプリメントを飲み始める前に、専門家に相談することをお勧めします。「ほとんどの自然な睡眠補助食品は副作用が少ないですが、それでも副作用の可能性はありますし、薬と相互作用するものもあるので、睡眠サプリメントを始める前に必ず医師に相談してください」と、パリンスキー−ウェイドさんは指摘しています。

眠りを誘う栄養素は、まず食べ物から摂取するように心がける

サプリメントの代わりに、パリンスキー−ウェイドさんは、適切な栄養素を含む食品を食事に加えることを勧めています。「タルトチェリー(アメリカンチェリーよりも小ぶりな赤いさくらんぼ)、カボチャの種、脂肪分の多い魚などの食品を夜の食事に取り入れてみてください。タルトチェリーには、健康的な睡眠をもたらすメラトニンというホルモンが含まれていますし、カボチャの種には天然のリラックス成分であるマグネシウムが豊富に含まれています。魚に含まれるビタミンDとビタミンB6の組み合わせも、睡眠の質を高めるのに役立つかもしれません」と、彼女は言います。

また、カルシウム、プロバイオティクス、トリプトファンを含む食品を優先的に摂取するのもよいでしょう。「ヨーグルトに含まれるプロバイオティクスは、カルシウムとトリプトファンの供給源になるとともに、睡眠に直接関連する腸内環境を改善することができます」と、パリンスキー−ウェイドさんは指摘します。「トリプトファンは、セロトニンに変換されるアミノ酸の一種で、体内を落ち着かせリラックスさせる効果があることが分かっています。カルシウムというミネラルは、脳内でメラトニンの生成を助けるので、カルシウムの豊富な食事が不眠症の症状を改善することが示されている理由かもしれません」。

教えてくれたのは・・・ヘザー・アダムスさん
ヘザー・アダムスさんは、執筆と編集業で活躍してきた経験豊富なライター。コンテンツ制作、ソーシャルメディア、マネジメント、編集を得意とする。

ヨガジャーナルアメリカ版/「Here’s Why You May Want to Rethink Your Daily Dose of Melatonin

広告

By HEATHER ADAMS
Translated by Hanae Yamaguchi

AUTHOR

ヨガジャーナルアメリカ版

ヨガジャーナルアメリカ版

全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



RELATED関連記事