「唐揚げにレモンをかける」管理栄養士がおすすめする「美味しい以外の理由」は?
レストランなどで唐揚げを注文すると、横にはだいたいレモンが添えられていますよね。揚げたての唐揚げにレモンをかけるかかけないかでしばしば論争が起きたりもしていますが、実は唐揚げにレモンをかけることは味の変化以外にもメリットがあります。この記事では唐揚げにレモンをかけると得られる栄養効果について解説します。
なぜ唐揚げにレモンをかける?
唐揚げにレモンをかけ始めるようになったのは、実ははっきりとした時期は分かっていないそうです。諸説ありますが、レモンが添え始められるようになったのは戦後に洋食が食べられるようになってからと言われています。当時から洋食のメニューにはレモンが添えられており、その流れで唐揚げにもレモンが添えられるようになったのだそう。
レモンを添えることで、料理がおしゃれに見えたり揚げ物がさっぱりと食べられることから少しずつ定着し、今では定番の組み合わせとなっているようですね。
唐揚げにレモンをかけることで摂取できる栄養素
・ビタミンC
ビタミンCは水溶性の栄養成分で、皮膚や粘膜の健康維持をサポートするとともにコラーゲンの生成を助ける作用があります。最近ではビタミンCの抗酸化作用が注目されており、動脈硬化の予防も期待されています。
・クエン酸
レモンの酸味成分であるクエン酸。クエン酸の含有量は果物の中でも1位や2位を争います。体内でエネルギーを作り出すクエン酸回路を活発にし、その回路が回ることで乳酸を分解するため疲労回復に効果的です。また、殺菌や食欲増進、消化吸収を促したり、鉄分やカルシウムの吸収を助けてくれる働きもあります。
・ポリフェノール
レモンの皮の部分には「エリオシトリン」や「ヘスペリジン」といったポリフェノールが含まれています。ポリフェノールには体を酸化から守る抗酸化作用があり、生活習慣病の予防や美容への効果が期待できます。
唐揚げにレモンをかけるメリットを解説
・鶏肉に含まれる栄養素が吸収されやすくなる
鶏肉のたんぱく質はアミノ酸のバランスがよく、ビタミンAやビタミンB群などの栄養素が含まれています。特に鶏もも肉には毎日の生活で不足しがちな鉄分やカルシウムも含まれており、レモンのビタミンCと一緒に食べることでそれらの栄養素が吸収されやすくなります。
・単純にレモンの栄養素がプラスされる
唐揚げにレモンをかけることで、上でご紹介した栄養素がプラスされて効率よく摂取できます。特にポリフェノールやリモネンという香りの成分は皮の部分に多く含まれるため、皮を下にして絞るとより効果的ですよ。
・レモンの酸味や香りでさっぱり食べられる
唐揚げは油で揚げていたり、しょうゆやニンニクなどで下味がつけられていることが多く、こってりとした味わいの料理です。そこにレモンの酸味や爽やかな香りがプラスされることでさっぱりと食べることができます。
まとめ
唐揚げにレモンをかけることによる栄養効果について解説しました。唐揚げにレモンをかけると酸味でさっぱり食べやすくなったり、鶏肉の栄養素を効率的に摂取できるといったメリットが多くあります。ただし、「味が気に入らない」や「カリッとした衣が台無しになる」といった反対派の意見もあります。レモンをかける時は取り皿にとって自分の分だけにかけたり、他の人に一言伝えてからかけるといいかもしれませんね。
参考サイト:
AUTHOR
野口久美子
管理栄養士/調理師。大学卒業後、保育園栄養士と食品開発の仕事を経てフリーに転身。現在は子育てをしながらライターとしてレシピ紹介や栄養に関する分野でコラムを執筆している。
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