にんじんを切ったら穴が…!穴の開いたにんじんは食べられる?管理栄養士が回答
にんじんは一年を通して手に入りやすく、さまざまな料理にも使えるので常備しているという方も多いと思います。しかし、いざ使おうと思って切ってみると、中に穴が開いてしまっていたということはありませんか?今回は、穴の開いたにんじんは食べても大丈夫なのかについて解説します。
にんじんに穴が開く原因は?
にんじんに穴が開いてしまっている状態のことを「す(鬆)が入る」といいますが、この状態はにんじんだけでなく、大根やカブ、ごぼうなどさまざまな野菜で起こります。にんじんに穴が開いてしまう原因として以下の2つがあります。
収穫の遅れ
収穫時期を過ぎてから収穫したにんじんには、穴が開いてしまうことがあるようです。これは家庭菜園など自分で育てた場合に起こることが多いため、スーパーで販売されているにんじんでは心配しなくて大丈夫でしょう。
長期間保存したことによる水分不足
購入後に長期間保存しておくと、にんじんに含まれる水分がなくなってしまい、穴が開いてしまうことがあります。特に葉がついたままのにんじんは、葉に水分や栄養分が吸収されてしまうため、すが入りやすくなります。
「す」の入ったにんじんは食べても大丈夫?
すの入ったにんじんは腐っているわけではないので、食べることはできます。しかし、水分が失われていたり、食べごろを過ぎたにんじんに穴ができることから、みずみずしさや鮮度は落ちているので、あまり美味しくはありません。
すの入ったにんじんを食べるときのおすすめの食べ方
穴の開いたにんじんは見た目も悪く、水分が抜けてスカスカの状態なので、生のままや茹でただけで食べるのは避けましょう。穴が開いてしまったにんじんを食べるときは、細かく刻んでスープやハンバーグに入れたり、カレーやシチュー、煮物など味付けの濃い料理に使ったりしましょう。ほかにも、すりおろして使うことで、食感や見た目の悪さをカバーすることもできます。
にんじんの上手な保存方法
さまざまな料理に使いやすいにんじんは、常にストックしている人も多いと思いますが、長期間の保存は穴が開いてしまうこともあります。おいしさをなるべく長く保つためにも、これから紹介するにんじんの保存方法をぜひ取り入れてみてください。
冷蔵保存する場合
にんじんを冷蔵庫で保存する場合は、買ってきた袋のまま冷蔵庫で保存するのはやめましょう。冷蔵庫で保存する場合は、水気を拭き取ったにんじんを1本ずつペーパータオルや新聞紙で包み、ポリ袋に入れて立てて保存してください。にんじんを包んだペーパータオルは湿ってくるので、3~4日おきに交換をすれば、約1ヶ月ほど保存することができます。
使い切れないときは冷凍保存
料理に使い切らず中途半端に余ってしまったときは、冷凍保存するのがおすすめです。乱切りや大きく切ったものを冷凍すると、解凍後に食感が変わってしまいます。冷凍する場合は、薄いいちょう切りや千切りにしましょう。冷凍した場合も1ヶ月ほど保存することができます。
すが入ったにんじんは食べることはできますが、おいしさは半減してしまいます。すが入ってしまう前に使い切ったり、正しい方法で保存して、おいしくにんじんを食べきりましょう。
【参考文献】
・書籍「食材の選び方と保存法」 編著:株式会社造事務所
・書籍「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」 監修:白鳥早奈英、板木利隆
AUTHOR
山口ミホ
管理栄養士、腸活アドバイザー。病院の栄養士を経験後、安心しながら美味しく食べられるものを作りたいという思いから、食材の味や旬、無添加を大切にするジャム専門店にて店長として従事。レシピ開発や製造・加工、店舗運営を経験。現在は腸活アドバイザーを取得し、食で体もココロも美しくをテーマに、フリーランス管理栄養士として活動。
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