〈キャベツ〉せっかくの栄養が…実は腸によくない「キャベツ」の残念な食べ方とは?管理栄養士が解説
季節を問わず手に入りやすいキャベツは、毎日の食卓にも欠かせない野菜です。食物繊維やビタミン、カリウムなどのミネラルが豊富で健康にも良いイメージが強いと思います。しかし、そんなキャベツにも実は腸に悪い食べ方があるのはご存知でしょうか。 今回は、実は腸に悪いキャベツのNGな食べ方について解説いたします。
キャベツを食べ過ぎるのはNG
キャベツは食物繊維が豊富な野菜です。しかし、食物繊維も摂り過ぎてしまうと腸の調子が悪くなってしまいます。
食物繊維をとり過ぎた場合、下痢や便秘、おならが出やすくなる、便が残った感じがしてスッキリしない、お腹の張りなど腸も不調を感じやすくなります。
実際の研究で、食物繊維を1日30gと標準より多く摂ったグループでは、食物繊維が1日20gと標準的なグループと比べ、腸の不調が出てしまったそうです。
このように、食物繊維の豊富なキャベツを食べ過ぎてしまうのは、逆に腸に悪い影響を及ぼしてしまう可能性があります。
1日のキャベツの目安は特に定められていませんが、厚生労働省の出している「健康日本21」では、キャベツを含む淡色野菜の目安は1日230gとしています。
食物繊維の摂りすぎも腸の不調の原因となってしまうため、230gを目安に適度な量を食べるようにしましょう。
キャベツを細かく切ってから長時間水にさらすのはNG
トンカツなど揚げ物の付け合わせとして、千切りキャベツがついているのをよく見かけます。キャベツにはキャベジン(ビタミンU)が含まれており、胃腸の粘膜を正常に保ち潰瘍を防ぐ効果があることから市販薬の有効成分ともなっています。
このキャベジンですが水に溶けだす性質があるため、千切りなど細かく切ってから長時間水にさらしてしまうと、キャベジンが水中に溶けだし含まれる量が減少してしまいます。
洗ってから千切りにする、水にさらす時間を短くするなど、調理の際に工夫することで胃腸を守ってくれる成分を逃がすことなく摂ることができます。
キャベツに油たっぷりはNG
サラダで食べる機会も多いキャベツですが、油の多いオイル入りドレッシングやマヨネーズをかけすぎてしまっては腸にもよくありません。
オイル入りのドレッシングやマヨネーズは脂質が高く、適量であれば問題ありませんが、かけ過ぎてしまうと胃腸などでの消化に負担がかかってしまいます。
また、カロリーも高いため肥満のもとにもなりかねません。目安として、マヨネーズは1日大さじ1杯程度、オイルの入ったドレッシングは1回あたり大さじ1杯程度が目安です。
かけすぎないように気をつけるか、ドレッシングであればノンオイルのものを選ぶのもおすすめです。
まとめ
実は腸に悪い、キャベツのNGな食べ方をご紹介しました。本来は腸によい食材であるキャベツですが、食べ方によっては逆効果となってしまいます。キャベツを食べる際は、今回ご紹介したことを参考にしていただければと思います。
【参考文献】
石井智香子 他:食物繊維が排便におよぼす影響, 日本看護科学会誌12(1),1992
厚生労働省:健康日本21
厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)
瀧川重信:キャベツの機能性成分ビタミンU 抗胃潰瘍効果で注目される成分と貯蔵性の関係,化学と生物 38 (8), 499-500, 2000
AUTHOR
津端奈緒美
管理栄養士/ライター。大学卒業後、病院の管理栄養士として栄養指導などに従事しながら社会人学生として修士課程を修了し、現在は博士課程を履修中。ライターとして栄養や健康に関する分野で科学的根拠に基づいた記事やコラムを執筆している。
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