【味噌】「水が出てきた」「表面に白いものが」食べられる?賞味期限&正しい保存方法|栄養士が解説

 【味噌】「水が出てきた」「表面に白いものが」食べられる?賞味期限&正しい保存方法|栄養士が解説
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管理栄養士 山口ミホ
山口ミホ
2024-02-18

味噌は発酵食品の代表的な1つであり、日本人にとっては馴染みの深い調味料です。発酵食品は長く日持ちするイメージがありますが、気づいたら賞味期限が切れていたり、色が変わっていたりして、使ってもいいのか悩んだことはありませんか?今回は味噌を安心しておいしく食べるために、賞味期限や保存方法、傷んでいるときの見分け方について解説します。

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味噌の賞味期限は種類によって違う?

味噌といっても、多くの種類があるのをご存じでしょうか?味噌は「大豆+麹+塩」を原材料として作られていますが、使う麹の種類や配合量によって、いろいろな種類の味噌が出来上がります。一般的に、麹の量が多いものや塩分量が少なく作られた味噌は賞味期限が短く、逆に麹の量が少ないものや塩分量が多いものは、賞味期限が長くなります。

・米みそ(甘みそ)・・・3~6ヶ月

・米みそ(辛口みそ、麦みそ)、調合みそ・・・3~12ヶ月

・豆みそ・・・6~12ヶ月

賞味期限は「おいしく食べられる期間」であり、期限を過ぎたあとは風味や香りが損なわれたり、色が変化する場合もあります。しかし、保存食である味噌は、賞味期限が過ぎてしまったからといって、すぐに食べられなくなるということはなく、正しく保存していればおいしさを長く保つこともできます。

miso
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味噌を上手に保存するには?

開封前は高温多湿に注意

味噌は発酵食品であるため開封前でも発酵が進み、風味が変わったり色が変化したりします。未開封の味噌は常温での保存も可能ですが、夏の高温多湿の時期では色が濃く変化して香りや風味が損なわれることがあるので、冷蔵庫での保存がおすすめです。

開封後は冷蔵または冷凍保存

開封後の味噌は、冷蔵庫で保存しましょう。また使ったあとは空気に触れないように、味噌の表面にラップをするのがおすすめです。空気に触れると酸化が進み、風味が損なわれる原因になりますが、味噌に密着するようにラップをすることで酸化を防ぐことができます。

もしすぐ使い切れなさそうな場合は、冷凍保存も可能です。塩分を豊富に含む味噌は冷凍しても固まらないため、冷凍庫から取り出したあとでもすぐに使うことができます。

食べても大丈夫?傷んでいるときの見分け方

発酵食品である味噌は、発酵が進むことによってさまざまな変化が見られることがあります。発酵による変化なのか、傷んでしまっているのか悩んだときは、見分け方を参考にしてみてくださいね。

表面に白いものが出てきたときは香りをチェック

異臭がせず、白い結晶のようなものが出来た場合は、チロシンと呼ばれるアミノ酸の一種になります。チロシンは味噌の熟成が進むと大豆のたんぱく質の分解によってできるものなので、そのまま食べても大丈夫です。

もし、味噌以外の異臭がした場合はチロシンではなく、「産膜酵母」といわれる酵母の一種になります。口にいれても無害ですが、味噌の風味を損ねる原因になるので、そのままにはせず取り除くようにしましょう。開封後に味噌の表面にラップをしておけば、産膜酵母の発生を防ぐこともできます。

水のようなものが出てきても使って大丈夫

味噌から茶色の水のようなものが出てくる場合があります。これは「たまり」と呼ばれ、うまみ成分が凝縮されているので、捨てずに味噌と一緒に混ぜて使うようにしましょう。混ぜて使うことで酵母菌が増殖し、風味が豊かになります。

異臭やモコモコしたカビが見られるときは注意

長期保存のできる味噌はあまり傷むことはありませんが、塩分の少ない味噌や手作り味噌の場合は注意が必要です。保存状態がよくないと、表面にモコモコとした白や青のカビが生えたり、異臭が発生することがあるので、その場合は食べるのを控えましょう。

 

味噌は保存食ではありますが、時間が経つほど発酵が進みすぎて風味が損なわれたり、カビが生えてしまう場合があります。正しい保存方法を守って、おいしく食べられる賞味期限内に食べ切るようにしましょう。

【参考文献】

みそ健康づくり委員会「みそ知り博士のQ&A」

みそ健康づくり委員会「新みそを知る」

マルコメ株式会社HP「よくあるご質問」

・書籍「奇跡の発酵調味料 みその教科書」 著者:岩木みさき P.21、106

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管理栄養士 山口ミホ

山口ミホ

管理栄養士、腸活アドバイザー。病院の栄養士を経験後、安心しながら美味しく食べられるものを作りたいという思いから、食材の味や旬、無添加を大切にするジャム専門店にて店長として従事。レシピ開発や製造・加工、店舗運営を経験。現在は腸活アドバイザーを取得し、食で体もココロも美しくをテーマに、フリーランス管理栄養士として活動。



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