「加熱用の牡蠣を生で食べてしまった…」食中毒は大丈夫?どうすればいい?管理栄養士が解説

 「加熱用の牡蠣を生で食べてしまった…」食中毒は大丈夫?どうすればいい?管理栄養士が解説
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牡蠣に「加熱用」と「生食用」があるのをご存じですか?もしかしたら「種類があるのを知らずに、加熱用の牡蠣を生で食べてしまった」という方や「加熱用と書かれていたけれど、購入した日はまだ新鮮だと思って生で食べてしまった」という方がいらっしゃるかもしれません。牡蠣を食べるとノロウイルス(食中毒)に感染する危険性があるのです。今回は、加熱用・生食用の牡蠣についてお伝えします。

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「加熱用の牡蠣」を生で食べても大丈夫?

「加熱用」の牡蠣を生食してしまったときはどうする?管理栄養士が解説
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加熱用の牡蠣を生で食べるのは危険!

加熱用の牡蠣と生食用の牡蠣は、成分規格などの規格基準により明確に分類されています。決して「鮮度がいいから生食できる」というわけではありません。加熱用の牡蠣を生で食べてしまった場合、食中毒になる危険性が高まります。もちろん、加熱用の牡蠣を生で食べた方全員に食中毒の症状が出るわけではありませんが、特に子どもや高齢者、免疫力が下がっている方は注意が必要です。食中毒の症状が出たときは病院で診察を受けましょう。自己判断で薬を飲むのは危険です。「加熱用の牡蠣を生で食べてしまった」と医師に伝えて、正しい処置を受けてくださいね。また、感染した方が吐いてしまったものや便には大量のウイルスが発生しているため、家族などケアする方が感染しないように注意する必要もありますよ。

牡蠣の食中毒とは?

牡蠣などの二枚貝によりノロウイルスの食中毒になる場合があります。ノロウイルスに感染すると、おう吐、下痢、腹痛などの症状が出ます。ノロウイルスに感染してから発症までの時間は24~48時間と長いので、あやまって生で食べてしまったときは1〜2日間は体調の変化に気をつけて過ごしましょう。ノロウイルスに感染しても、ノロウイルスに効果のある薬がないため、対症療法として治療することになります。嘔吐・下痢による脱水症状をおこさないように水分補給と栄養補給に気をつけなければなりません。

加熱用の牡蠣と生食用の牡蠣との違いは?

食中毒予防を目的として殺菌・浄化することにより、規格基準に適合したものだけが「生食用牡蠣」として流通しています。生食用の牡蠣の成分規格、加工基準、保存基準は非常に細かく設定されています。これらの規格・基準が守られていないものが「加熱用牡蠣」として流通しているため、加熱用を生で食べることでどれほどのリスクがあるのかがうかがえますね。

牡蠣を安全に食べるには?

「加熱用」の牡蠣を生食してしまったときはどうする?管理栄養士が解説
illustration by なつめももこ

前述のとおり、牡蠣を安全に食べるには「加熱用」「生食用」をそれぞれ守って食べる必要があります。生で牡蠣を食べたいときは、必ず「生食用」を選びましょう。また、加熱用の牡蠣を購入したときも、加熱温度と時間に注意が必要です。ウイルスは一般的に熱に弱いため「中心部85~90℃で90秒以上の加熱」が基準となっています。しっかりと加熱されたものだけを食べるように、注意してくださいね。

牡蠣は、生牡蠣、焼き牡蠣、カキフライ、牡蠣鍋…とさまざまな食べ方を楽しめるおいしい食材です。しかし、食べ方に気をつけなければ食中毒になってしまうため「加熱用」と「生食用」をしっかりと区別するようにしましょう。あやまって加熱用を生で食べてしまったときは、体調の変化に注意し、症状が出たらすぐに診察を受ける様にしてくださいね。

参照
厚生労働省|ノロウイルスに関するQ&A
厚生労働省|生食用かき

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AUTHOR

なつめももこ 管理栄養士

なつめももこ

管理栄養士/Webライター/イラストレーター。管理栄養士として病院に7年間勤務。出産を機に「子どもとの時間を大切にしながら働くこと」を目標にフリーランスのWebライター&イラストレーターとして活動開始。現在は栄養に関する記事を執筆するほか、未経験からイラストレーターになる方法について発信している。



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