〈冬の食中毒〉煮込み料理にもリスクが?注意したい食品は?潜伏期間は?管理栄養士が解説
食中毒は冬にも起こることをご存知でしょうか。実は、冬の食中毒は夏よりも多く発生するとされているため、冬でも食中毒に気をつける必要があります。食中毒の原因となるのは細菌やウイルスなどがあり、その原因によって発生しやすい食品があります。 そこで、今回は冬の食中毒にならないために注意したい食品とその対策について詳しくご紹介します。
冬の食中毒はどのような特徴がある?
食中毒とは食中毒を起こす原因となる細菌やウイルス、寄生虫、有毒な物質が付着した食品を摂ることで、下痢や腹痛、発熱などの症状が起こることです。一般的に食中毒は夏に起こるイメージが強いですが、実は冬でも食中毒は起こります。
冬に発生する食中毒は、主に以下の4つが挙げられます。
・ノロウイルス
・カンピロバクター
・アニサキス
・ウエルシュ菌
それぞれ症状や潜伏期間、原因となる食品が異なります。そこで、それぞれの食中毒において注意すべき食品を見てみましょう。
冬に注意したい食品とは?食中毒ごとに紹介
ここからは、冬に発生する食中毒の特徴・原因となる食品について紹介します。
ノロウイルス食中毒
ノロウイルス食中毒は冬に発生する代表的な食中毒です。ノロウイルス食中毒の原因となる食品は牡蠣などの二枚貝が挙げられます。ただし、ノロウイルスに感染した人を介して食品が汚染されている場合もあるため、多くの食中毒は原因が特定できないといわれています。
カンピロバクター食中毒
カンピロバクター食中毒は、主に肉やその加工品を摂取することで発生する食中毒です。特に鶏肉が原因となるケースが多く、鶏レバーやささみの刺身のような生で食べるものや加熱不足の鶏肉料理を食べることで感染します。
アニサキス食中毒
アニサキス食中毒では魚介類に寄生しているアニサキス(寄生虫)が体内の胃壁や腸壁を刺入することで、下痢や嘔吐などの食中毒の症状を引き起こします。アニサキス食中毒の原因となる食品は刺身や寿司などの生の状態で食べる魚介類です。
ウェルシュ菌食中毒
ウェルシュ菌食中毒は、魚介類や肉類を使用したカレーやスープなどの煮込み料理が原因で発生する食中毒です。特に、学校や病院などで大量に作られている料理が原因となることが多い傾向にあります。上記の内容をまとめると、冬の食中毒では、主に魚介類や肉類、これらを使用した料理に注意が必要といえるでしょう。
では、冬の食中毒に感染しないためには、どのように対策をすれば良いでしょうか。
食中毒を予防するために家庭でできることとは?
食中毒は毎日食べている家庭の食事でも発生することがあります。家庭での食中毒は比較的症状が軽いといわれていますが、重症になるケースもあるため注意が必要です。以下の予防ポイントを意識して、食中毒を予防しましょう。
菌をつけない
菌をつけないためには、調理や食事の前に手を洗うこと、生肉や生魚を他の食品と一緒にしないことが重要です。また、生肉や生魚で使用した調理器具はしっかり洗って殺菌するようにしましょう。
菌を増やさない
食中毒の予防には菌を増やさないことも重要です。調理した後は早めに食べるか冷蔵庫で保存しましょう。
菌をやっつける
一部を除く菌やウイルスは加熱で死滅します。肉や加熱用の二枚貝などの食品は中心部まで十分に加熱しましょう。
ノロウイルスは持ち込まない、ひろげないことも重要
ノロウイルスは人から人に感染するため、調理場に行かないことや食品を触らないことも重要です。また、調理器具や食器などの食品に触れるものは消毒してウイルスをひろげないようにしましょう。
今回の記事を参考に、ご紹介した食品の取り扱いに注意しつつ食中毒の対策をしてくださいね。
【参考文献】(2024年1月8日閲覧)
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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