身近な食品から感染することも…冬も注意【カンピロバクター食中毒】特徴や予防法は|管理栄養士が解説
冬の食中毒といえばノロウイルスによるものが多いですが、実はカンピロバクターによる食中毒にも注意が必要です。カンピロバクターは年中通して発生し、身近な食品から感染するケースがあります。 そこで今回の記事ではカンピロバクター食中毒の特徴や症状、予防するためのポイントについて詳しく解説します。
カンピロバクターとは?
カンピロバクターは鶏・牛・豚の腸内に生息している菌です。
また、犬や猫などのペットにも生息しているといわれています。
カンピロバクターにはいくつか種類があり、そのうち食中毒に関与している菌は「カンピロバクター・ジェジュニ」と「カンピロバクター・コリ」です。
カンピロバクターはヒトや動物の腸内でのみ増殖する、少ない菌でも感染する、乾燥に弱い、加熱で死滅するといった特性を持っています。
カンピロバクターの症状はどのようなものがある?
カンピロバクターの症状は腹痛、下痢、発熱、嘔吐、頭痛、倦怠感などです。
感染してもすぐに症状が出るわけではなく、1〜7日間程度の潜伏期間を経てさまざまな症状が現れます。
症状が出てから1週間程度で治りますが、乳幼児や高齢者など抵抗力の弱い傾向にある方は重症化するリスクがあるため注意が必要とされます。
どうやって発生する?
カンピロバクターによる食中毒は、主に食肉やその加工品が原因となります。
食肉のなかでも鶏肉が原因となるケースが多く、生の状態や加熱不足の鶏肉を食べることで感染します。
また、カンピロバクターに汚染されている飲料水を飲むことやペットに触れた後に食べたり調理したりすることで感染する場合もあります。
食品に取り扱いに注意しカンピロバクターを予防しよう
では、感染しないためにはどのように対策をすれば良いのでしょうか。
カンピロバクターを予防するためには、他の食品の接触を避ける・十分に加熱する・調理器具や食器は熱湯消毒し乾燥させることがポイントです。それぞれのポイントを詳しく見てみましょう。
他の食品への接触を避ける
食肉を調理したり保存したりする際は、他の食品に触れないように注意しましょう。
特に生で食べる野菜や果物に触れると食中毒のリスクがあるとされます。
生の状態で他の食品と一緒にしない、包丁やまな板を別にする、食肉を触ったら手を洗うといった対策をすることが重要です。
また、食べる前・調理する前・ペットを触った後に手洗いを十分に行いましょう。
十分に加熱する
カンピロバクターは熱に弱いため、食品の中心部を75℃以上で1分以上加熱して菌を死滅させることが重要です。
中心部の温度はなかなか測定できないと思いますので、中心部まで食肉の色が変わっている状態を目安にすると良いでしょう。
調理器具や食器は熱湯消毒し乾燥させる
食肉を調理したり食べたりした際に使用した調理器具や食器に熱湯をかけて消毒させましょう。
さらにカンピロバクターは乾燥に弱いため、十分に乾燥させることもポイントです。
カンピロバクターによる食中毒は身近な食品によって起こります。今回ご紹介した予防ポイントを意識して、カンピロバクターに感染しないように気をつけていきましょう。
【参考文献】(2024年1月3日閲覧)
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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