理学療法士に聞くヨガのケガ予防|後屈ポーズ反り腰の注意点を2つのポーズから検証~その1~
腰痛持ちのヨギは、知らないうちに「ポーズ反り腰」になっている可能性大!? 理学療法士でヨガインストラクターの中村尚人先生に、「アップドッグ」と「ウールドゥヴァダヌーラーサナ(上向きの弓のポーズ )」で気を付けるべき点を教えてもらいました。
内腹斜筋を使って「ポーズ反り腰」を防ぐコツ
「ポーズ中、腰をつめるようなアライメントを続けていると、背骨の椎間関節に負担がかかり、腰痛の原因に。そこで中村尚人先生が注目するのが内腹斜筋。「内腹斜筋は骨盤を後傾させる筋肉で、腰を伸ばす方向に働きます。後屈系だけでなく、あらゆるポーズで使えば、腰痛が予防できます」
1.アップドッグの場合
これはNG
膝が開いていたら、大臀筋に力を入れて後屈している可能性が大。大臀筋に力が入ると内腹斜筋が働かず体幹が伸びていきません。腰も縮まったまま後屈するため、痛める原因にもなり危険です。
改善法:お腹と腿前の意識で体幹を伸ばそう
ヴィーラバッドラーサナⅠと同様、内腹斜筋をONにしてからスタートします。内腹斜筋が働くと胸が引き上がるので、後屈に入っても体が縮まらずにすみます。また、太腿の前に力を入れておくと腰がつまりにくくなります。
HOW TO
1.お腹を薄くして内腹斜筋をONにする。胸が引き上がる感覚があればOK。
2.お腹を意識したまま後ろへ。内腹斜筋が働いていると首や腰を縮めずに後屈していける。
POINT:太腿の前とお腹に力を入れて
2.ウールドゥヴァダヌーラーサナ(上向きの弓のポーズ )の場合
これはNG
難度が高く、大臀筋の力に頼りがちになってしまうポーズ。膝が開いていたら大殿筋を使っているサインと思って。大臀筋が働くと腰部の筋肉も縮めてしまうので危険です。
改善法:骨盤を安定させて腰の反りすぎを予防しよう
後屈系の中でも特に腰への負担が大きくなるポーズです。無意識に行うと腰をつめてしまいやすいので、背面より前面を強く意識します。お腹を薄くするとお腹から胸が伸びるので、内腹斜筋を有効に活用しましょう。
HOW TO
1.お腹を薄くして内腹斜筋をON。お腹から胸の伸びを感じて頭頂をマットにつける。
2.お腹を薄くしたまま、足で床を強く押して後屈。内腹斜筋が働くように両脚は平行を保つ。
PONT:足で床を強く押して全身を伸ばす
これもOK
お尻に力が入りやすいポーズは、膝の間にブロックをはさんで練習すると良い。お尻に力が入ったときは、膝が開いてブロックが落ちてしまう。落とさずポーズがとれれば、内腹斜筋が正しく使われているサイン。
教えてくれたのは...中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。UTLにてヨガの解剖学の講師を担当。医療とボディーワークの融合、予防医学の確立を目指し活動中。「TAKT EIGHT」主宰。著書に『ヨガの生理学』(BABジャパン)がある。
モデルを務めてくれたのは...梅澤友里香さん
ヨガインストラクター、モデル。イベントやワークショップで講師を務めるほか、食・美・健康をテーマにしたヨガイベントも主宰。強く美しくしなやかな心と体をつくるヨガ指導に定評がある。メディア出演も多数。
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